2014 Fiscal Year Research-status Report
FTIR法とヒト細胞評価法の連結によるハロゲン消火剤の酸性ガス発生機構と毒性評価
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26350465
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Research Institution | Oita National College of Technology |
Principal Investigator |
小西 忠司 大分工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (00225468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 健太郎 大分大学, 医学部, 助教 (70458280)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リチウムイオン二次電池 / 酸性ガス / ハロゲン系消火剤 / フーリエ変換赤外分光法 / ヒト肺細胞毒性評価法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高温火災環境下の消火時に、ハロゲン系消火剤から発生する酸性毒性ガスの生成機構および被災者や消防職員に与える生理的影響を、In-situ フーリエ変換赤外分光法(FTIR)およびヒト肺細胞毒性評価法を組み合わせたリアルタイムフロースルー型システムにより明確にし、電気自動車の蓄電池における熱暴走火災時の消火、発電所・工場の電気火災消火時等のハロゲン系消火剤運用時の安全基準等の提言を目的としている。 本年度は,リチウムイオン二次電池に使用されている電解液成分であるジメチルカーボネート(DMC),ジエチルカーボネート(DEC),エチレンカーボネート(EC)を当分質量比で混合した燃料を着火させて、ハロゲン系消火剤であるFK-5-1-12をにより消火を行った。容積200mLの矩形容器に燃料を100mL入れて、パイロット火炎で着火し、また、消火剤は、燃料容器上部より定量ポンプより滴下した。燃焼及び消火現象の観察は、燃料容器上部および燃料容器下部に設置したミラーにより容器底部より観察した。測定はデジタルカメラ、赤外線カメラ、高速度カメラで撮影した。 本実験により以下の知見が得られた。(1)定性的には、消火剤FK-5-1-12の蒸発に伴って発生する気体が消火性能に大きく影響する。(2)FK-5-1-12による消火時間が長いほど酸性ガスが発生しやすい。(3)FK-5-1-12を水及び界面活性剤と混合して発泡化させると消火性能を大幅に向上させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フーリエ変換赤外分光法が当初計画より遅延しているため、電解液の燃焼及び消火実験を先に実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト細胞培養装置及び顕微鏡観察装置の製作により、電解液の燃焼ガスとハロゲン系消火剤から発生する酸性ガスの毒性をヒト肺細胞の形態変化,生死率,代謝変化により評価をする。また、FTIR装置内部の水蒸気によるビームスプリッター結晶および検出器結晶の不具合によりフーリエ変換赤外分光法が遅延している。修理を検討するとともに、今後、FTIR以外の代替方法により酸性ガスの測定を検討する。
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