2014 Fiscal Year Research-status Report
竜巻による列車事故減災を目指した非定常空気力の解明
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26350491
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| Research Institution | Meijo University |
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Principal Investigator |
鈴木 昌弘 名城大学, 理工学部, 教授 (00376881)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 鉄道 / 竜巻 / 空気力 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、竜巻に遭遇した時に列車が受ける空気力を明らかにすることである。本年度は、竜巻状気流発生装置、模型列車走行装置、横風発生装置から成る実験装置の製作を行い、その性能確認を行うとともに、数値計算プログラムの開発を進めた。
まず、アイオワ州立大学で開発されたものを参考に、竜巻状気流発生装置を設計製作した。本装置により発生させた流れ場をPIV法(粒子イメージ流速計測法)により測定したところ、最大旋回風速7.6 m/s、コア半径120 mmの竜巻状の気流が生成されていることを確認した。次に、竜巻状気流発生装置と組み合わせる模型列車走行装置を製作した。縮尺40分の１の列車模型の表面には72点の圧力測定孔を設け、内蔵したセンサーで非定常圧力を測定できるようにしてある。走行試験の結果、列車模型が全長7 mの区間を最大速度5 m/sで走行できることを確認した。さらに、竜巻による空気力と一方向からの横風による空気力を比較するために、模型列車走行装置と組み合わせる横風発生装置も製作した。性能評価の結果、最大風速5 m/sのほぼ均一な気流が生成されていることがわかった。
以上の実験装置を用いて、竜巻状流れのスワール比が0.79の場合について、竜巻の中心を列車が通過する際の空気力を測定した。その結果、横力の作用方向が通過途中で反転すること、揚力は渦中心に近づくにつれ最大になること等がわかった。さらにこれらの傾向は、理論モデル（ランキン渦モデル）から予想されるものと一致することも明らかにした。
また、数値計算プログラムの開発に関しては、竜巻状の流れ場を再現するために必要な計算領域、境界条件等の検討を進めた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験装置の開発に関しては、設計製作した装置は目標性能をほぼ達成できた。さらに、平成27年度以降に実施する計画であった、竜巻状気流発生装置によって生成される流れ場の測定も一部ではあるが前倒して実施することができた。また、製作した実験装置を用いた模型走行試験も当初計画を前倒しにして一部を実施した。
一方、数値計算プログラムの開発については、計算方法の検討にとどまり、シミュレーション結果を得るところまでは進まなかった。
以上、一部計画以上に進展しているところもあり、一部やや遅れているところもあるが、全体としては、おおむね順調に進展していると考えられる。
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| Strategy for Future Research Activity |
実験については、開発した装置の調整を行った後、竜巻により列車に加わる空気力の測定を進めていく。また、PIV法（粒子イメージ流速計測法）により、竜巻中の列車まわりの流れ場の測定もすすめ、空気力と流れ場の関係も明らかにしていく。
数値シミュレーションについては、引き続きプログラム開発を行う。先行している実験の結果及び他の実験装置の測定結果や実測データを参照しながら、計算条件等の調整を行う。実験結果を用い、シミュレーション結果の検証を進める。
以上により列車に加わる空気力に与える以下のパラメータの影響を明らかにする。1)スワール比、2)列車速度と竜巻の最大旋回風速の比、3)車両長さと渦直径の比、4)線路から竜巻中心までの距離。また、一方向からの横風による生じる空気力との比較も行う。さらに理論モデルを用いた空気力の簡易的な推定方法の提案も目指す。
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| Causes of Carryover |
実験装置の部品が当初計上した予算より安価に済んだこと、およびワークステーションの購入を見合わせたためである。ワークステーションは初年度に購入予定であったが、既存のワークステーションでも計算領域、境界条件等の検討は行えることが判明したので、プログラム開発が進展した段階で最新型のものを取得することにした。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
ワークステーション取得費用に充てる。
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Research Products
(1 results)
