2016 Fiscal Year Annual Research Report
Preparation of Novel Biodegradable Biomaterials using High-pressure
Project/Area Number |
26350527
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山元 和哉 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (40347084)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高圧力 / ナノ粒子 / 低分子量化 |
Outline of Annual Research Achievements |
合成および構造制御の反応場として高圧力に着目し、本年度は新奇バイオマテリアルの創製としてキチンの構造化を目的とした。天然に広く存在する構造多糖であるキチンをイオン液体の臭化1-アリル-3-メチルイミダゾリウム(AMIMBr)に溶解させ、高圧過程を適用することで、キチン/AMIMBr溶液からの再生によるナノ粒子の創製および低分子量化について検討した。まず、AMIMBrにキチンを加え、100 ℃で24時間撹拌することでキチン/AMIMBr溶液を調製し、室温で1時間、1000MPaで圧力印加した。この高圧処理キチン/AMIMBr溶液をMeOH中に浸漬し、超音波処理により分散液を得た。得られたMeOH分散液をガラス基板上で乾燥させてSEM観察を行ったところ、ファイバー状および粒子状の形態が観察された。このような形態は600MPa以上の高圧力を適用していないキチン/AMIMBr溶液では観察されなかったことより、キチン/AMIMBr溶液に圧力を印加することで、キチンがナノ粒子として構造化することが分かった。また、キチン/AMIMBr溶液に所定量の水(キチンに対して2, 10および20当量)を添加して、室温で圧力印加(600 MPa)したところ、使用した市販キチン(分子量:480000)に比べて、単離後の再生キチンの分子量が低下することが分かった(2, 10および20当量のとき、32000、27000および10000) 。さらに得られた再生キチン(600 MPa, 1時間, 10当量) をXRDにより解析した結果、市販のキチンと同様に9.5, 19.5, 20.9, および 23.4 °に回折ピークを示し、α-キチンの結晶構造を有していることが確認された。
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