2014 Fiscal Year Research-status Report
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26350528
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
長崎 健 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (30237507)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生体材料 / ナノ材料 / 超分子化学 / 癌 / ナノバイオ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに論文公表されているものも含めて種々シクロデキストリン(CDx)を用い、BPAの水溶性を増加させるために以下に示す複合化方法を網羅的に検討した。実際に使用したCDxはα-CDx, β-CDx, γ-CDx, δ-CDx, ジメチル-β-CDx, ジメチル-γ-CDx, ヒドロキシプロピル-β-CDx, ヒドロキシプロピル-γ-CDx, ヒドロキシブチル-β-CDx, ヒドロキシブチル-γ-CDx, スルホブチルエーテルβ-CDx, カルボキシエチルチオエーテル-γ-CDx, 硫酸化-β-CDx である。また、複合化方法として乳化法、飽和水溶液法、混練法、高速振動粉砕法、超音波分散法を検討した。 種々検討した条件の中で、シクロデキストリンとしては、医薬品グレードが入手可能な誘導体であるヒドロキシプロピル-β-CDx、複合化方法としては高速振動粉砕法(25 Hz, 30 min)を用いた際に、BPAに対する水溶化率77%, 最高濃度[B]=1000 ppmを達成した。現在臨床研究においてBPAを投与する際にはフルクトース錯体として投与を行うが、その際のホウ素濃度とほぼ同等の値を得ることに成功した。今回の方法は、複合体調製後は粉末として長期保存が可能であり、術時調整も食塩水で熔解するのみで有り、医師にとっての負担を大きく低減することが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在臨床研究においてBPAを投与する際にはフルクトース錯体として投与を行うが、その際のホウ素濃度とほぼ同等の値を得ることに成功したため。今回の方法は、複合体調製後は粉末として長期保存が可能であり、術時調整も食塩水で熔解するのみで有り、医師にとっての負担を大きく低減することが可能となる。
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Strategy for Future Research Activity |
より高濃度水溶液を調製可能な、包接錯体の調整条件を検討する。 物性同定を円二色性スペクトルやNMRスペクトルを用い、固体状態においては熱分析DSC、粉末X線などで物理的混合物とCDx複合体を比較検討する。複合体濃度はICP発光測定によりホウ素濃度を定量化し決定する。 水溶液を調製し、ゼータ電位・粒径を測定する。マウス尾静脈投与を想定し、血中滞留性が期待される負電荷を帯びた粒子作製を目指す。また、腫瘍組織へEPR効果により集積させるために100-200 nmの粒子サイズとなる条件を確立する。 BPA/CDx複合体の細胞障害性を培養細胞に対して評価する。細胞は、動物実験を想定したColon-26(マウス結腸がん)細胞を用い、培地中への添加濃度を制御し、WSTアッセイにより実施し、細胞障害性を及ぼさない濃度領域を決定する。備品申請したセルアナライザーを用いアポトーシス活性評価を行う。
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Causes of Carryover |
少額残高であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品費の足しとする。
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Research Products
(9 results)