2016 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding the expression of blood compatibility of polymeric materials
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26350529
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
望月 明 東海大学, 工学部, 教授 (00384925)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 血小板適合性 / 水構造 / NMR緩和時間 / 運動性 / ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
計画のポリエーテル(PE)を使ったトリブロック共重合体PMMA-PE-PMMAを調製した。これら共重合体の血小板適合性はPPG系トリブロックはPTMG系トリブロックより優れる傾向にあった。尚、いずれの共重合体もMMAホモポリマーに比べて顕著な適合性改善を確認した。XPSからPE鎖長が短い共重合体でPE鎖の表面偏析が観察された。 NMRを使ったポリマー(官能基)の運動性評価にあたり、まず溶液NMR、固体NMRを用いた方法論についてモデル高分子を用い調べた。その結果、両者は相関した結果を与えたので、溶液NMRで固体状態の運動性比較は類推可能と判断した。溶液NMRから、PPG鎖の運動性はPE鎖長に影響なく、ほぼ等しく、又、PTMG鎖の方がPPG鎖より運動性が高いことが示唆された。一方、PMMA鎖についてエステル部の運動性を見るとMMAホモポリマーのそれより低く、又、PMMA 鎖長が短いほど低くなることが分かった。これらよりエステル部とエーテル酸素の相互作用が示唆された。 次にポリマー中の水の特性解析にあたり、まず末端エステル化PPG, PTMGの水の運動性について検討した。PPGでは分子量増大に伴い水の運動性は低下する傾向を認めた(緩和時間T1:19→11ms)。PTMG中の水のT1は30ms程度で、PPG中のそれより運動性が高いことが分かった。 尚、バルク水のT1は800ms程度であった。一方、DSCによる熱分析からPE中の水は全て不凍水として存在していることが分かった。これらよりPE分子周りの水はエーテル酸素と強く相互作用していると考えられる。適合性の結果と併せると水の運動性と適合性の相関が示唆された。 蛋白吸着と血小板適合性との関係を調べたが、これらポリマーに対する蛋白の吸着量、コンフォメーション変化は低レベルにあり、適合性との間に明確な相関は認められなかった。
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