2015 Fiscal Year Research-status Report
運動療法がアポトーシスやアディポカインを介して脳梗塞再発を抑制する機序の解析
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26350582
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
倉林 均 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70192036)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 脳卒中 / 動脈硬化 / 血小板 / アポトーシス / アディポカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
1. アディポカイン、炎症性サイトカインの評価: 前年度に引き続き、理学療法および作業療法を施行している脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの動脈硬化性疾患、ならびに、脳変性疾患、骨折、廃用症候などのリハビリテーションを施行した疾患において、炎症性サイトカイン(IL-1、IL-2, IL-6)や接着分子(P-selectin, L-selectin)、血小板の指標(PDGF)を、理学療法および作業療法の開始時と2~3週経過時に測定した。 2. アポトーシスの評価: 前年度に引き続き、理学療法および作業療法を施行している脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの動脈硬化性疾患、ならびに、脳変性疾患、骨折、廃用症候などのリハビリテーションを施行した疾患において、デスリガンド(TNFR、Fas)、アポトーシス抑制因子(caspase, Bcl-2)を、理学療法および作業療法の開始時と2~3週経過時に測定した。 3. 運動負荷の評価: 前年度に引き続き、上記疾患に対して、FIM, MMT, MMSEを同時点で測定した。同療法の1日当たり施行時間を計算した。同療法施行により、上記の測定値の変動を解析した。また上記測定値の変動と1日当たりの理学療法および作業療法の施行時間との相関関係を分析した。 4. 途中経過報告: 未だ症例数は少ないが、Fas, IL-6Rは理学療法および作業療法の施行により低下する傾向がみられた。上記の指標と1日当たりの理学療法および作業療法の施行時間については有意な相関はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の対象条件を満たす入院患者数が予想より少なかったため、当初予定よりやや遅れている。最近、入院日数が短縮し早期退院する傾向にあり、長期観察が困難となりつつある。退院後は地域連携病院へ通院するようになり、経過観察ができなくなる症例も増えてきた。また退院後の外来通院リハビリ診療では、条件が異なるため比較は困難であり、研究対象には含めにくい。このため研究対象となる症例数が、当初見込みより少ない。それ以外は概ね予定通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も当初の研究計画に従って、3.血小板機能の評価、4.凝固・線溶系、5.血管内皮機能の評価、を加えていく。また、1.アディポカイン、炎症性サイトカインの評価、2.アポトーシスの評価、については引き続き分析を継続していく。疾患や運動モダリティーによる層別化を行い、さらなる解析を続けていく。
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Causes of Carryover |
当初予想していた研究対象となるような入院患者数が少なかったため、血液検査の件数が少なくなり、研究費が余った。また血液検体はまとめて同時に測定したほうが測定値は安定するので、今年度採取した血液検体を凍結保存して、次年度に採取した血液検体と一括して同時に測定するため、外注測定を次年度に繰り越した。このため次年度以降の同様の対象入院患者に対して血液等を測定検査する目的で研究費を持ち越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降の対象入院患者に対して、当初の研究計画に従って、同様の検査・評価を継続していく。また、疾患や運動モダリティーによる層別化を行い、さらなる解析を続けていく。
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