2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development and effectiveness a teaching method of reading and writing English in children with developmental dyslexia
Project/Area Number |
26350583
|
Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
春原 則子 目白大学, 保健医療学部, 教授 (70453454)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 発達性ディスレクシア / 英語学習 / 効果的な指導方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
発達性ディスレクシアは言語によって出現率が異なることが知られている。言語音の単位が小さく、音と文字との対応関係が複雑な英語圏では、日本語に比べて発達性ディスレクシアの出現率が高い。日本語話者の発達性ディスレクシア児が英語の読み書きの学習に困難をきたすことは十分に考えられることであり、実際に英語学習の困難さを主訴とする発達性ディスレクシア時は多いのが現状である。このような状況の中、発達性ディスレクシア児が英語の読み書き学習のどの段階で躓いているのか、実際に何が困難なのかについては明らかとなっていないことから、今回、発達性ディスレクシアのない児童と比較して発達性ディスレクシア児の英語の読み書き学習の基本的な力について調査した。その結果、発達性ディスレクシア児においてはアルファベットのAからZまでの口頭での系列的表出の段階ですでに獲得に困難を来していること、アルファベット1文字ずつの読み書き、特に小文字の習得が困難なこと、さらに、たとえば「k」と「a」をブレンドすることの困難さ、など、非常に初歩の段階で躓いていることが明らかとなった。 また、日本語話者の発達性ディスレクシア児に対する英語の読み書き学習についての効果的な指導方法も見つかっていないのが現状であったことから、今回、英語圏で用いられているフォニックスを援用し、できるだけ日本語やローマ字の知識を活用できるような指導方法を考案した。これを約30名の発達性ディスレクシア児に用いたところ、一定の効果が得られた。 発達性ディスレクシア児の発見自体が未だ課題ではあるが、英語学習、とりわけ読み書きの学習が困難な児童生徒の中に発達性ディスレクシア児のいる可能性があること、彼らに対してはアルファベット1文字の習得という初歩の段階で丁寧な指導が必要であり、また、指導に当たっては特別な方法も考慮すべきであることが示唆された。
|