2015 Fiscal Year Research-status Report
慢性心不全における血清ミオスタチンの意義と骨格筋萎縮に関する運動療法介入研究
Project/Area Number |
26350590
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 豪 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (10349764)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 在宅リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は中等度以上の慢性心不全患者に関する在宅リハビリテーションプログラムを無作為割付にて通常指導群と自重を用いた在宅筋力低強度レジスタンストレーニングを追加した介入群の2群に無作為割付けし8週間の介入後、運動耐容能を比較する前向き介入試験である。 平成27年末で解析可能な心不全患者21名について検討した。対象の心不全症例は平均左室駆出率33±14%、NYHA 心機能分類Ⅱ度19名、Ⅲ度2名でありいずれも中等度以上の慢性心不全症例である。心肺運動負荷試験による嫌気代謝閾値(anaerobic threshold ; AT)は、在宅強化運動療法群が通常運動療法群に比し、開始前から2ヶ月後の改善度が有意に大きかった(⊿AT1.1 ±1.3 vs -1.1±0.9 mL/kg/min, p=0.026)。一方運動耐容能の指標であるPeak VO2 の変化率は2群間で有意差を認めなかった。(p=0.608)血清マーカである血中BDNF値や血清ミオスタチンは介入前後、2群間で有意差を認めなかった。 これらの結果から中等度以上の重症度の心不全症例に対しては監視型の高強度トレーニングや高強度レジスタンストレーニングは困難な症例でも在宅で実施する低強度自重トレーニングを追加することで通常指導(ウオーキングのみ)よりも嫌気代謝閾値(AT)が優位に改善する可能性が示唆された。監視型の通院リハビリテーションの実施が困難な対象群に対して有用である可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
症例の登録状況の進展が遅延しており平成28年3月までの登録期間を病院倫理委員会に申請し平成28年12月末まで延長した。平成27年度末の時点で解析可能な症例は21例、全登録数は25例である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年12月まで症例の登録を進め50例の時点で再度中間解析を行う予定である
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Causes of Carryover |
症例登録が遅延しているため,費用を使用する計画であった血清ミオスタチンを始めとする特殊採血、骨密度検査用の資金が次年度使用額に繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年12月まで倫理委員会で登録期間を延長申請済みであり、約50例の登録を見込んでいる。 特殊採血および骨密度検査(DEXA)を研究費での実施としており使用予定は期間内で完了する予定である。
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