2014 Fiscal Year Research-status Report
進行がん患者に対する緩和的リハビリテーションの効果についてのミクスドメソッド研究
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26350595
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
森田 達也 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床教授 (70513000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 光令 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90301142)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 進行がん / 緩和ケア / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
緩和ケアとは、「生命を脅かす疾患をもった患者と家族に対して、身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな問題を早期に同定し、的確な評価と対処を行うことによって、 quality of lifeを改善する治療」である。進行がん患者は、痛みなどの身体的苦痛のみならず広範にわたる苦痛を体験する。そのなかでも、ADLの低下に伴う自分で自分のことができないつらさ、他人に迷惑をかけているつらさ、希望や楽しみのなさは、頻度が高く、生きる意欲や安楽死の希望にもつながる重要な苦痛である。 緩和リハビリテーションは、身体的機能を維持することを通じてADL低下そのものを抑制する可能性と、あわせて、リハビリテーションを行っていることそのものが患者の生きる意思や希望を高める可能性があるとされている。しかし、近年の系統的レビューでは進行がん患者に対する緩和リハビリテーションの効果を示唆した研究はほとんどが後向き研究であり、質の高い研究は国際的にも行われていない。進行がん患者に対する緩和リハビリテーションの効果を検証することと、そのメカニズムを明らかにすることは、多くの患者のquality of lifeの向上をもたらす可能性がある点で重要である。 本研究は、進行がん患者に対する緩和リハビリテーションの効果を検証し効果のメカニズムを明らかにすることを目的とした研究である。具体的な目標として、1)進行がん患者に対する緩和リハビリテーションのQOLに及ぼす効果を明らかにする、2)緩和リハビリテーションが効果をもたらすメカニズムを明らかにすることをあげている。前後比較試験と質的研究を組み合わせたミクスドメソッドによる前向き研究を策定した。2013年度に研究参加施設3施設での倫理委員会での審議が終了した。2014年度は患者登録を実施しており、2015年4月現在で目標症例数200例のうち105例の患者登録を終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年4月現在で目標症例数200例のうち105例の患者登録を終了した。計画通りか、計画をやや上回るペースである。
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Strategy for Future Research Activity |
患者登録は順調に進んでおり、目標症例数200例に対して105例が集積されている。今後も月1回の定期的なミーティングを継続して、患者登録を継続する。
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Causes of Carryover |
2014年度中に患者登録が可能であればデータ集積を始める予定であったが、研究計画書の作成、倫理審査に時間を要したため患者登録、データベース作成に必要な人員が次年度に繰り越された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は患者登録を行うため、患者登録、データベース作成に必要な人員の人件費として使用する。
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