2016 Fiscal Year Research-status Report
脳内ネットワーク解析による脳卒中患者の心理特性と機能回復の関係についての検討
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26350602
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Research Institution | Morinomiya Hospital Neurorehabilitation Research Institute |
Principal Investigator |
服部 憲明 大道会森之宮病院 神経リハビリテーション研究部, 神経リハビリテーション研究部, 部長 (70513141)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脳卒中 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脳卒中患者を対象として、効果的なリハビリテーション(リハビリ)に求められる心理・性格特性と、その基盤となる脳内ネットワークを明らかにすることである。そのために、種々のMRIの情報を利用することが特徴である。具体的には、回復期リハビリ病棟入院中の亜急性期の脳卒中患者を対象とし、入退院時に各種の心理評価、麻痺の程度、日常生活動作能力などの臨床評価、リハビリ評価とMRI撮像を行う。 平成26年度は、心理・臨床評価体制を構築し、さらに、MRIデータ収集・保存システムを構築した。そして、実際に、臨床・画像データの収集を開始した。27年度は、脳卒中の病巣抽出からネットワーク解析にいたる構造的MRIの解析システムを完成させた。症例は、当初目標として挙げていた40例を集めることができた。平成28年度は、さらに症例の蓄積を行い、これまでに、初回脳卒中患者172名の心理評価、リハビリ評価を行った。各種心理評価の間では、うつスコアとやる気スコアがよく相関していた。心理特性と臨床評価の関連では、特にうつ傾向が麻痺の重症度や日常生活動作の障害の重症度とよく相関していた。さらに、脳梗塞69例、脳出血38例において、入院時にMRIデータを収集することができた。これまでの検討では、構造的解析で、脊髄皮質路が病巣で障害を受けた程度と麻痺の重症度や日常生活動作の障害の重症度との間に有意な相関が見られている。今後、心理特性との詳細な検討を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、データを収集し、入院時に取得したデータを用いて予備的横断的解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集を継続する。29年度内に中間解析で、入院時、退院時に取得したデータを用いて、予備的な縦断的解析を行う予定である。もしも、当初計画した解析法でネットワークの同定が困難と予想された場合、研究計画書の「研究が当初の計画通りに進まない時の対応」に準じた方法で発展的に解析を行う。
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Research Products
(9 results)