2015 Fiscal Year Research-status Report
廃用性萎縮後の下肢筋に対する筋機能回復のための至適負荷強度および介入時期の検討
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26350608
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 正二 金沢大学, 保健学系, 助教 (70422657)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 廃用性筋萎縮 / 運動負荷 / 理学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性外傷によるギプス固定や人工関節置換術後、疾患による安静臥床などによる全身性、局所性の不活動は廃用性筋萎縮を引き起こす。廃用性筋萎縮は完全に予防することは不可能であり、一旦萎縮した骨格筋を速やかに回復させることも予防と同様に重要である。リハビリテーション医学において、廃用性筋萎縮を予防し、萎縮筋を早期に回復させることは、特に高齢者の合併症や寝たきりを予防して人間らしい生活を維持・再獲得するためにも重要である。そこで本研究では、一旦、廃用性筋萎縮を生じさせた実験動物を用いて、萎縮後の運動負荷の開始時期および運動強度等の至適介入方法を検討することを目的として実施した。 本研究において、尾部懸垂によりラットヒラメ筋湿重量/体重の減少、大腿四頭筋、足底筋およびヒラメ筋には筋線維萎縮が生じ、その後の再荷重によって特にヒラメ筋において有意な筋線維損傷および筋再生が発生することを確認した。この結果は、萎縮筋に対する再荷重刺激は、ヒラメ筋にとっては高負荷であることを示唆していた。 また、小動物用スクワット装置を作成し、スクワット運動の効果および運動誘発方法を検討した。この装置を用いて8週間の運動負荷を加えたところ、非運動群と比較して有意な体重の減少、最大拳上重量の190%の増加、体重に対する最大拳上重量の228%の増加を認めた。体重に対する筋湿重量においては、ヒラメ筋の有意な増加と大腿四頭筋、足底筋の増加を認めた。この結果は、今回我々が採用したスクワット運動が実験動物の下肢筋トレーニングとして有用であることを示唆していた。 今後は、廃用性萎縮筋に対してトレーニングを行い、至適な介入方法を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小動物用スクワット装置の一部であるラットを固定する方法および運動誘発方法の検討に時間を要した。また、運動負荷期間が8週間という長期間を要するため、多条件の実験を行うことが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験装置および測定方法はほぼ設定した。今後は、条件を増やしてより詳細な検討を進める。
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Causes of Carryover |
小動物用スクワット装置の微細な改良を計画していたが、未実施である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
改良を速やかに実施する。
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Research Products
(3 results)