2015 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症の症状に応じた前頭連合野リハビリテーションの有効性検証と神経基盤の検討
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26350617
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
竹田 里江 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (10381279)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 前頭連合野 / トレーニング / 日常生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,申請者が開発した認知機能トレーニングである目的志向的遅延反応課題(以下,G-DR課題)の統合失調症における介入研究を継続することと,G-DR課題の神経基盤を明らかにするために非侵襲的脳機能測定法を用いて,課題の進行に伴う神経生理的反応を明らかにすることである. 本年度の具体的計画は,①昨年度までに実施した統合失調症患者に対する介入の成果をまとめ,論文化すること,②非侵襲的脳機能測定法にて計測可能な形にG-DR課題を修正・調整することを継続する,という2点であった. 本年度の成果として,①統合失調症患者に対してG-DR課題を用いて介入した効果について検討した原著論文を2本発表することができた.その中で,統合失調症の症状のタイプによってG-DR課題の効果を発揮する側面にやや違いがあることが明らかになった.G-DR課題は,ワーキングメモリ等の認知機能障害の改善など,機能的な問題の改善に寄与するが,日常生活のシュミレーション等の機能も備えていることから,行動面の改善,発動性の向上といった側面にも,幅広く効果を発揮することが示唆された.また,G-DR課題の特徴を分析した原著論文も執筆し,受理された.G-DR課題の特徴として,ワーキングメモリだけではなく,注意や流暢性などにも作用する可能性が示された.②昨年度から継続して非侵襲的脳機能測定法にて計測が可能な形にG-DR課題を修正,調整するという課題に取り組み,ほぼ修正と調整を終えることができ,次年度に向けての準備ができた. 以上から,研究目的に沿って,概ね順調に研究を進めることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の具体的計画は,①昨年度までに実施した統合失調症患者に対する介入の成果をまとめ,論文化すること,②非侵襲的脳機能測定法にて計測可能な形にG-DR課題を修正・調整することを継続する,という2点であった.①については,統合失調症患者に対してG-DR課題を用いて介入した効果について検討した論文を2本発表することができた.また,G-DR課題の特徴を分析した論文も受理されていることから,順調に達成できたと判断できる.②についても,非侵襲的脳機能測定法にて計測可能な形にG-DR課題を修正・調整するという点に関して,準備が概ね完了したため,概ね順調に達成できたと判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,特にG-DR課題の神経基盤を明らかにするために非侵襲的脳機能測定法を用いて,課題の進行に伴う神経生理的反応を明らかにするという点について進めて行く予定である.その際に,課題の遂行,反応の解析,解釈などをじっくり行い,G-DR課題の神経基盤を丁寧に検討していきたい.
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Causes of Carryover |
論文掲載料のために執行を保留していたが,論文掲載料の請求が2016年4月となったために,2016年3月時点では未執行となった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文掲載料として2016年4月に執行予定である.
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