2016 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of gait dynamics by nonlinear analysis and its clinical application
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26350620
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
真壁 寿 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (60363743)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歩行 / 認知課題 / ストライドインターバル / スケーリング指数 / 長期相関 / 近似エントロピー / 規則性 |
Outline of Annual Research Achievements |
歩行時の認知課題がストライドインターバルの変動に及ぼす影響を検討した。対象は健常若年成人20名(平均年齢21.2±0.9歳)、健常高齢者20名(平均年齢70.4±3.5歳)とした。歩行条件は認知課題なし歩行(Single Task Gait = STG)する条件とタブレット端末でストループ課題を行いながら歩行(Dual Task Gait = DTG)する条件とした。いずれの条件とも1周20mの8字歩行路を快適歩行速度で12分間歩行した。踵に貼付した3軸加速度センサーから歩行時のストライドインターバルを求め、その時系列データから短期及び長期スケーリング指数α(以下、短期スケーリング指数:α1、長期スケーリング指数:α2)、近似エントロピー(Approximate Entropy = ApEn、以下ApEn)を求めた。スケーリング指数αはストライドインターバルの長期相関、ApEnはストライドインターバルの規則性を表す。上記2つの歩行条件においてスケーリング指数α及びApEnの群間、群内比較を行った。その結果、群間比較でのSTGでは、健常高齢者が健常若年者よりα1、α2が有意に低下した。DTGでは、健常高齢者が健常若年者よりα1で有意に低下し、ApEnで有意に増加した。STGとDTGの群内比較においてα1、α2、ApEnで有意な差は認められなかった。ストライドインターバルの長期相関において年齢による差が認められた。認知課題を付与することによって、長期相関のみならずストライドインターバルの規則性においても年齢による差が見出された。これらの差は年齢による歩行中の脳内ネットワーク機能の低下によりもたらされたと考えられ、スケーリング指数αとApEnは、歩行中の脳内ネットワーク機能の低下を示す有益な指標と考えられた。
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Research Products
(1 results)