2016 Fiscal Year Annual Research Report
A study of the proactive postural control problem on turning while walking
Project/Area Number |
26350622
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
星 文彦 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (40165535)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歩行 / 方向転換 / 反応時間 / ステップ戦略 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、認知症者16名を対象に歩行中の方向転換動作課題における頭部の方向転換動作開始反応時間と方向転換ステップ動作パターンの分析を行った。認知症者は、平均年齢83.6歳(SD:4.6)、平均MMSE15.9(SD:3.8)、平地平均歩行速度は0.9m/秒(SD:0.2)、平均TUG時間15.1秒(SD:4.3)であった。認知症の診断名は、15名がアルツハイマー認知症、1名がレビー小体認知症と診断されていた。性別は男性3名、女性13名であった。結果は、歩行周期中の立脚支持側へ方向転換を提示したときの頭部の方向転換方向への回旋反応時間は、535.6m秒(SD:535.6)で、遊脚側へ方向転換を提示したときの頭部の方向転換方向への回旋反応時間は、555.0m秒(SD:169.6)であった。方向転換時のステップの運動パターンは、立脚支持側へ方向転換を提示したときの運動パターンの出現率は、100%ステップターンであり、遊脚側へ方向転換を提示したときの運動パターンの出現率は、ステップパターンが95.3%、スピンターンが4.7%でほとんどの者が転換方向に関わらずステップターンを用いていた。 平成28年度の結果を、平成26年度、平成27年度の実施した若年成人と健康高齢者と比較すると、支持脚方向への方向転換平均反応時間、若年者362.5m秒、高齢者395.8m秒、遊脚方向への方向転換平均反応時間、若年者320.6m秒、高齢者389.7m秒、に比べ有意に遅延していた。また、方向転換時のステップ運動パターンは、遊脚方向への方向転換時に若年者は100%スピンターン、高齢者は71%スピンターンを使用するのに対して、認知症はほとんどのものがステップターンを使用していた。これらのことから、認知症者の歩行中の方向転換動作の特異性として情報処理の遅延と方向転換運動戦略発現に関する問題が示唆された。
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Research Products
(3 results)