2015 Fiscal Year Research-status Report
回復期片麻痺者の歩行改善の分析ー下肢装具と理学療法が歩行に及ぼす影響ー
Project/Area Number |
26350630
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山本 澄子 国際医療福祉大学, その他の研究科, 教授 (30302102)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 短下肢装具 / 片麻痺者 / 歩行分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
回復期片麻痺者を対象として、足関節の底屈を制動する装具と底屈を止めた装具による2週間の歩行練習を実施し、練習前後の歩行を3次元動作分析装置で計測して比較することが本研究の目的である。平成26年度に引き続き、対象者の選定と計測を実施し底屈制動群17名、制限群17名の計34名の計測を完了した。そのうち、30名についてデータ処理済みである。当初予定していた3次元動作動作計測と合わせて筋電図の計測も実施した。 結果より、底屈制動群と制限群では歩行中の体幹と骨盤の動きに違いがあり、制動群で体幹伸展が有意に増加、制限群では骨盤前傾が有意に増加することが明らかになった。歩行の時間距離因子や下肢の運動学的、運動力学的結果には両群の違いが見られなかった。 違いが見られなかった理由は、2週間の歩行練習期間が短いことが考えられた。 結果の一部を、2015年6月にフランス・リヨンで開催された国際義肢装具連盟学術大会で発表した。これまでの結果をまとめて、国際義肢具学会誌(Prosthetics and Orthotics Internatinal) に論文を投稿した。さらに2016年6月開催の日本リハビリテーション医学会、11月に開催予定のアジア国際義肢装具学会のシンポジウムにエントリーし、ともに採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象者の選定にさまざまな問題があるものの、研究実施機関である中伊豆リハビリテーションセンターのセラピストの協力を得て計測はおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
底屈制動群と底屈制限群で歩行の違いがみられることが明らかになったことから、平成28年度もさらに対象者を増やして計測を継続する予定である。当初予定していた歩行練習時のフィードバックの有無の比較については、研究実施方法を検討した結果、統制された方法を実施することが困難と判断したため、フィードバックの有無の比較については行わないこととし計画を変更した。
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Causes of Carryover |
当初予定していた歩行練習時のフィードバックの有無の比較のために歩行時の油圧効力を表示する装置をレンタルする予定であったが、計画変更によりレンタルの必要性がなくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年に予定している日本リハビリテーション医学会学術集会およびアジア国際義肢装具学会に、研究協力者である理学療法士2名が参加予定であり、旅費および学会参加費の補助を行う。
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