2016 Fiscal Year Research-status Report
回復期片麻痺者の歩行改善の分析ー下肢装具と理学療法が歩行に及ぼす影響ー
Project/Area Number |
26350630
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山本 澄子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (30302102)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 片麻痺者 / 歩行分析 / 下肢装具 |
Outline of Annual Research Achievements |
回復期片麻痺者の歩行に対する短下肢装具(AFO)の底屈方向の機能の影響を明らかにすることが本研究の目的である。片麻痺者40名をランダムに、底屈制動機能つきAFO(AFO-OD)群と底屈をとめたAFO(AFO-PS)群に割り付け、それぞれの装具を使用した2週間の理学療法士による歩行練習を実施した。どちらのAFOも背屈方向には遊動である。歩行練習の前後に3次元動作分析装置を使用して歩行を計測し、練習前の装具なし歩行と練習後の装具歩行の比較を行った。 結果より、両群に共通した歩行の変化は、歩行速度の増加、歩幅の増加、歩行周期、両脚支持期の短縮であった。AFOの違いによる違いは、AFO-PS群では歩行立脚期を通じて骨盤前傾の増加がみられ、AFO-OD群では立脚期を通じて胸郭前傾の減少で有意差が見られた。これらの結果から、AFOの底屈制動方向の機能の違いは回復期片麻痺者の歩行中の姿勢に影響することが明らかになった。AFOの機能を比較した従来の研究では、AFOが直接的に影響する足関節、膝関節への影響を述べたものがほとんどであるが、本研究によって歩行のリハビリテーションに重要な身体全体の姿勢に及ぼす影響を明らかすることができたことは意義があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の第一の目的である装具の機能の違いが歩行に及ぼす影響を明らかにすることは終了したが、当初の目的の1つである身体機能と歩行改善についての分析が継続中である。
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Strategy for Future Research Activity |
対象となる片麻痺者の歩行改善と身体機能の関係を明らかにする。現在までに明らかになった結果については、学会発表、論文投稿などを行う。
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Causes of Carryover |
本研究で得られた結果を発表予定の学会が終了年度以降に開催されることと、残された課題についての打ち合わせを共同研究施設で行う必要があり、そのための旅費が必要である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究で得られた結果を第54回リハビリテーション医学会で発表するとともに、共同研究施設(中伊豆リハビリテーションセンター)で打ち合わせを行う。
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