2016 Fiscal Year Annual Research Report
Verifcation of the proprioception as a factor for falls
Project/Area Number |
26350634
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Research Institution | Kinjo University |
Principal Investigator |
佐々木 賢太郎 金城大学, 保健医療学部, 准教授 (90512476)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 固有感覚 / 地域在住高齢者 / 転倒予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、27年度に実施した地域高齢者の身体機能の計測結果をパンフレットにまとめ、それを地域で配布し、サロンや公開講座で講話を行った。 26年度に固有感覚計測装置(運動器リハビリテーション,2016)を開発し、27年度にそれを地域へ持込み、白山市在住の高齢者82人を対象として関節運動覚を計測した。28年度は計測結果の報告と論文化を行った。計測の結果として、加齢に伴い関節運動覚の閾値は上昇する、運動方向の比較では屈曲よりも伸展の方が閾値が高い傾向にある、関節運動覚の閾値は下肢伸展挙上筋力や足趾筋力、片脚立位時間と負の相関関係を認めることがわかった。特に、伸展・屈曲の閾値を合計した関節運動覚の精度は、足趾筋力とともに片脚立位時間の有意な独立変数であることが示された(運動器リハビリテーション,2016)。しかし、過去1年間の転倒経験者と年齢・性別・体重をマッチングさせた非経験者の比較においては、関節運動覚の閾値に差は認められなかった(日本転倒予防学会,2016)。今回行った研究結果から、関節運動覚は地域在住高齢者の転倒要因となることは示されなかったが、転倒リスク因子に影響を及ぼすことが示唆された。 今年度は所属機関の競争的資金の助成を受け、27年度の計測結果を講話するとともに、前年度に引き続いてサロンを訪問し、身体機能の計測を実施した。地域で行ってきた講話の評判を受け、今年度訪問したサロンの数は前年度を上回り、計測の参加者数も110人を超えた。本研究において、関節運動覚の閾値は加齢に伴って上昇することが示されたが、過去に同一被験者の経年変化をとらえた報告は調べうる限り、見当たらない。この活動を今後も継続し、固有感覚のみならず、筋力やバランス能力等の推移をとらえ、転倒予防の活動に活かしていく。
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