2014 Fiscal Year Research-status Report
脳賦活リハビリテーションに貢献する光イメージングを用いた認知機能定量法の開発
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26350636
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Research Institution | Hamamatsu University |
Principal Investigator |
大星 有美 浜松大学, 保健医療学部, 助教 (70613975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾内 康臣 浜松医科大学, 学内共同利用施設等, 教授 (40436978)
菊知 充 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任教授 (00377384)
河合 正好 浜松大学, 保健医療学部, 教授 (30283352)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | NIRS / 脳賦活 / 前頭前野 / 作業記憶 / タスクセット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでの脳血流反応を描出できる近赤外分光法(NIRS)と認知機能の早期低下を捉えるタスクを用いて正常加齢に伴う認知機能低下や軽度認知障害及び軽度認知症患者の病態的評価が可能な客観的スクリーニング方法の検討をさらに進め、高齢期の認知機能低下への予防的な脳賦活リハビリテーション介入に貢献する脳機能評価方法について脳血流反応の経時的変化の特徴から開発することを目的としている。 本年度は、タスク開始前(pre-task)における予期的な脳賦活を評価できるタスクを作成することを行った。先行研究で用いた視覚性作業記憶課題を改変し、タスクセットの手がかり刺激を入れる、ベースラインに完全に戻った状態からのタスク前賦活を抽出する目的でタスク後のレスト時間をより長くする、という点を改良した。また、作業記憶課題に使用する画像も見直し、より大きな脳賦活を認知タスクによって引き出すことを目標とした。 脳賦活タスクを用い、パイロットスタディとして健常ボランティアのNIRS測定を行い、タスクの難易度や課題間時間、レスト時間を見直した。また、うち数例で時間分解分光法による安静時の脳血流測定を行い、部位間の光路長の相違を確認した。 その後、修正したタスクを用いて、NIRS測定とリバーミード行動記憶検査や前頭葉機能検査等の各種神経心理学的検査を実施し、脳血流変化について脳機能解析ソフトを用いて被験者ごとの波形の分析を行っている。 高齢者では脳活動や各種神経心理学的検査得点、属性にバリエーションが大きいため、さらに被験者の参加を募り、検査測定を継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は脳賦活を評価するための脳賦活タスクの作成を主たる目標としており、その点は達成できた。修正したタスクを用いて27年度にも継続して健常高齢者の測定が必要であるため、おおむね順調とした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、連続波法NIRSと時間分解分光法NIRSとの同時計測を考えていたが、プローブ配置や測定機器間の性質の相違から難しいことがわかった。本研究ではタスク前の脳賦活を中心とした脳血流反応の時間的変化についての検討に主眼を置いているため、連続波法NIRSによる計測を主として行うこととした。また、今後は、患者群での脳血流データの収集を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度に計測を実施できた被験者数が予定よりもやや少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度にさらに健常高齢者数を増やして検討するために、主として被験者への謝金として使用する。
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