2014 Fiscal Year Research-status Report
運動器慢性痛の発症予防プログラム開発のための基盤構築
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26350640
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
大道 美香 愛知医科大学, 医学部, 助教 (30581079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大道 裕介 愛知医科大学, 医学部, 講師 (50506673)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 不動化 / 慢性痛 / 情動 / 扁桃体 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性疼痛では、痛みにより惹起される不安、抑うつなどの負情動が生活の質(QOL)を著しく低下させる。今回、我々が開発したギプス固定後慢性痛(以下CPCP)モデル)を用いて負情動生成について解析を行うことは、慢性疼痛の情動的側面を考慮した基礎的知見につながる。 本年度は痛みの情動・認知的側面を反映する脳領域を中心にCPCPモデル動物の脳内活性部位にブレインマッピングを行った。免疫組織化学的染色法にて、神経細胞活性マーカーであるc-Fos抗体を用いて検討した。ギプス除去後24時間目(急性期)とギプス除去後5週目(慢性期)において、視床、分界条、扁桃体、前帯状回、島、中脳中心灰白質においてc-Fos陽性細胞が多数検出された。また、不安・抑うつなど情動の障害に深く関わる扁桃体に着目して、マイクロダイアリシス法を用いてドパミンの放出量の計測を行った。ギプス固定2週目を基準として、除去後4時間までを計測するとドパミンの放出量が増大していた。この結果からギプス除去後のイベントが急性期の負情動関与領域のニューロンに変調をきたしている可能性が示唆された。今後は慢性期においても同様の解析を続行していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属講座の大改修および実験装置の購入や手技の確立に時間を要したため、当初の実験計画が遂行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
運動習慣が慢性痛に及ぼす効果を検証するため、独自に開発したCPCPモデルラットを用いて、慢性痛発症前の予防的運動(前運動)が慢性痛に及ぼす効果について検証を行ってきた。その結果から、純粋な運動量による慢性痛抑制効果を評価するためには、生得的・潜在的な心理・精神的機能の評価に基づく動物の選別が必要であると考え、検討を行う。 27年度は行動装置の設定・実験手法の確立に時間を要したため、先送りになっていた行動学的実験を中心に行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度において実施する予定であった研究計画に若干の遅れが生じたため、研究費を次年度に一部繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の研究費の使用計画としては、精神行動評価のために必要な器具を中心に、実験動物(ラットやマウス)の購入や使用可能な各種抗体および関連試薬等の購入費として使用する予定である。
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