2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26350673
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
しゃ 錦華 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (10257264)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 福祉機器 / リハビリ機器 / 人間適応 / 下肢関節 / ペダリング / 最適負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,下肢の様々な関節障害に対応し,下肢運動能力の向上を図るため,新たな健康増進電動カートの設計論を確立することを目的とし,当初の計画に従い研究を進め,以下の研究成果が得られた。 ・下肢関節障害に適合したペダリング機構の設計と試作:まず,リハビリのニーズと段階を考慮してリハビリプロセスと筋肉の鍛え方を詳しく分析した。それに基づき,リハビリの進捗状況に合わせて可変する負荷生成ペダリング機構を,使用のしやすさ,調整のしやすさや制御のしやすさなどの観点から,4種類設計した。これらの機構は,すべて左右の足が独立にリハビリできる非対象型であり,静的筋肉と動的筋肉の両方を鍛える効果をもたらすことができる。また,適応対象を広げるために,回転型でなく,スライド式のペダリング機構にした。 ・ペダリング負荷に関する検討:ペダリング負荷もリハビリ効果に直接に影響を与える。印加するペダリング負荷を正確に評価するための最大心拍数の計算法が数多く提案されている中,本研究でのペダリング運動に焦点を当て,実験データをもとに各種計算法の検証と選定を行った。今後,この選定結果をもとに,ペダル印加負荷の調整アルゴリズムを構成する予定である。 ・リハビリ機構の制御に関する検討:被験者に安全かつ効率よくリハビリを行わせるために,リハビリ機構を最適に制御する必要がある。そのような制御を実現するために,研究代表者が先に提案した等価入力外乱手法を用いて,電動カートと移動型ロボットを対象に運動制御手法を検討し,リハビリ機構の制御に役立つシステム構成を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,おおむね予定通り順調に進んでおり,また,研究成果も国際会議やジャーナルにより公表している。
ペダリング機構の設計は順調に進んでいるが,試作検討は少し時間がかかった。その遅れを取り戻すために,試作を行っている間,27年度以降で予定していたペダリング負荷制御手法の検討を前倒しして,26年度行った。
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Strategy for Future Research Activity |
1)設計した4種類のペダリング機構について,総合的に評価し,最終的に試験機を1台作成し,リハビリ患者によるリハビリ実験を行う。 2)先に得られたペダリング負荷の検討結果をもとに,生理学的立場,心理学的立場および理学療法的立場を加味し,リハビリ度の評価法を確立する。 3)環境影響を抑えたペダリングシステム制御手法を確立する。機械系の非線形特性やカートの走行環境(坂や路面摩擦)の変動による影響を抑え,常に最適なリハビリ効果が得られる制御システムを構築し,その有効性を検証する。
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Causes of Carryover |
ペダリング機構の設計と検討を丁寧に行った結果,4種類のペダリング機構が設計できた。一方,その検討には少し時間がかかったため,26年度中に実機制作はできなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度で設計した4種類のペダリング機構について,総合的に評価し,最終的に1種類に絞り,試験機を1台試作する予定である。 使用計画として,試験機試作を約50万,成果発表を約50万円,実験補助などの人件費・謝金を約40万円,その他の消耗品費などを約46万円と予定している。
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