2014 Fiscal Year Research-status Report
ジェスチャコントロール型視覚障害者用立体聴覚インタフェースの開発
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26350674
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
高尾 秀伸 神奈川工科大学, 創造工学部, 准教授 (60329307)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 視覚障害 / ナビゲーション / 拡張現実 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去の科研費を受けて開発した視覚障害者用立体音響ナビゲーションシステムの機能として、屋内店舗空間を歩行中の重度視覚障害ユーザに対して、店舗内の施設や物品を「そのものの位置から」音声・音響提示するインタフェースが挙げられる。これに加えて周囲に手をかざすなどのジェスチャ認識をトリガとして、あたかも手で音に触れるかのように立体仮想音源の表示ON/OFFを視覚障害者ユーザが自在に制御できる、選択的聴取が可能な聴覚ユーザインタフェースの開発を進めている。 H26年度は立体音響システム試作・人間特性検討として以下の研究開発を行った。まず、ジェスチャ入力機能と連動してユーザが任意で複数音源を独立して制御可能な専用の立体音響生成エンジンの開発に成功した。さらに、H27年度に予定していたジェスチャインタフェースプロトタイプ実装・評価の一部を前倒しして実施した。具体的には、低侵襲なジェスチャ認識方式および設置位置の検討を行うためのプロトタイプシステムの開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた立体音響システムの試作および人間特性検討における4つの研究実施事項のうち、1)立体音響生成エンジン開発要件定義、2)立体音響生成エンジン調達ならびに3)立体音響システムへエンジンの組み込み開発は予定通り達成した。しかし、4)音像定位の正確性評価実験が測定データの不備が原因で完遂しておらず、H27年度に持ち越しとなった。一方、前述のとおりH27年度に予定していたジェスチャインタフェースプロトタイプ実装・評価の一部を前倒し実施することができたため、全体的にはおおむね順調に進展していると評価される。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度はジェスチャインタフェースプロトタイプ実装・評価フェーズとして,以下の検討を行う。 1)低侵襲なジェスチャ認識方式および設置位置の検討として、各種モーションセンサ方式を机上および実測で比較検討し、採用決定する。また、設置位置の検討を行う。確実に認識するエリア内でかつ、ユーザの行動を制限しない位置の特定を行う。2)ジェスチャパタンの体系化として、音源の探索等、立体音響インタフェース操作に必要な機能の策定を行う。また、操作機能に対応する自然なジェスチャを行動学的見地からパタン化を行う。3)立体音響システムとの連動として、H26年度に開発した立体音響システムとジェスチャシステムとを連動させるための実装を行う。4)ジェスチャ認識率の検討(ユーティリティ評価)として、実際に立体音響提示を伴う状態で、ジェスチャ認識機能が正しく機能するかについて、視覚障害当事者を対象に検証し、改良・調整を加える。5)サウンドマーク音の能動的または受動的提示が音源の認知性(定位の正確性、情報の記憶性)に与える影響の検討(ユーザビリティ評価)を行う。
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Causes of Carryover |
消耗品の一部を購入する必要がなかったため若干の余剰が出た。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度の消耗品の一部として使用したい。
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