2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26350678
|
Research Institution | Meiji University of Integrative Medicine |
Principal Investigator |
赤澤 淳 明治国際医療大学, 保健医療学部, 講師 (10460742)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | マルチチャネル表面筋電図 / 同定手法 / 上腕二頭筋短頭 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で,上腕二頭筋の皮下脂肪組織が薄い被験者の場合,皮膚表面で計測される運動単位活動電位波形(SMUAP)の計測・解析は難しいと予想された.そこで,問題を精査し,同定を行うアルゴリズムを逐次型手法に変更して計測・解析を行って来た(2014年度まで). 2015年度も引き続き逐次型のアルゴリズムを用いてさらに研究を進める予定であったが,逐次型手法では計測・解析することが非常に難しい場合が生じた.その理由は,一度間違った同定を行うと間違いを引きずることである. 対応策は,同定結果に間違いが生じているかユーザーインタフェースを通して細かく確認,修正できるようにしたことである.この方法では,オペレータによる手入力が必要になる場合があるが,時間的な問題は少なく,最も確実な方法である.この手法を用いて2015年度に解析を行った結果は既に報告されている生理学的な知見ともよく一致した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
既存のプログラムを使用し,必要に応じて若干の修正を加える程度でSMUAPの同定がどのような場合でも行えると考えていた.本研究における我々の同定が上手く行えたという定義は, SMUAPをよく研究している者が目視で同定を行った結果とパーソナルコンピュータによる同定結果が一致した場合である.また,我々が目視でSMUAPの同定を行っている作業をパーソナルコンピュータに行わせることにより,SMUAPの同定を正確かつ短時間に行うことも研究の柱の一つである. これまでの我々の研究では,SMUAPの同定を行う場合,目視による同定結果と異なる結果が得られた場合の対処方法は,プログラムに使用するパラメータを変更することであった.進捗が遅れている理由は,運動時においてはパラメータを変更するだけでは同定を上手く行えない場合が現状では必ずあるということを特定することと,その対応策を決定するのに時間を要したためである.
|
Strategy for Future Research Activity |
・パーソナルコンピュータによる解析結果と目視による同定結果との比較を行いやすくする.そのために必要となる詳細な解析結果を出力する. ・パーソナルコンピュータによる同定結果と目視による同定結果とが異なる場合にはオペレータによる同定に用いるパラメータの変更作業を可能にする.この場合,変更内容を記録し,SMUAPの同定作業を完全自動化するための資料とする. ・変更を行ったプログラムを用いて当初の予定である以下の課題に取り組む. ①上腕二頭筋に加わる負荷と運動単位の活動との生理学的な関連性の検討.②肘関節屈曲速度と上腕二頭筋に加わる負荷とが運動単位の活動に与える影響の検討.
|
Causes of Carryover |
既存のプログラムを使用し,必要に応じて若干の修正を加える程度で運動単位の同定が行えると考えていた.しかし,変更を行わなければ正確な同定を行えない場合があることを特定するまでに時間を費やしたことと,プログラムの修正自体にも時間を要したため,当初予定した研究が行えず,予算の使用計画を変更したためである.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
改良が必要になった方法を用いて同定し,論文に纏めるのに必要な消耗品費等の購入及び,当初予定していた以下の研究を進めるために用いる. 1.上腕二頭筋に加わる負荷と運動単位の活動との生理学的な関連性の検討 2.肘関節屈曲速度と上腕二頭筋に加わる負荷とが運動単位の活動に与える影響の検討
|