2015 Fiscal Year Research-status Report
上肢運動訓練のための卓上型リハビリ支援ロボットの開発
Project/Area Number |
26350688
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Research Institution | Akita National College of Technology |
Principal Investigator |
木澤 悟 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90234202)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バイオメカニクス / リハビリテーション / ロボット / 上肢運動機能 / リーチング動作 / ワイピング動作 / 福祉工学 / 卓上型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高齢による上肢の筋力低下や上肢の運動機能障害者を対象にリハビリによって筋力低下予防や関節拘縮予防,関節可動領域の維持など運動機能の改善を目的としたリハビリロボットの開発を行い,また,福祉施設や自宅の机上でも利用可能なコンパクトなリハビリロボットの開発を進めている.本年度は,リハビリロボットのコントロールに必要な位置決めと同時に上肢の動きの状況を計測し評価することができるように,モーションセンサーとして,マーカー型のAR技術(拡張現実)とwebカメラをシステムに組込み,上肢の移動軌跡を記録し,リアルタイムでモニタに表示させることを可能とした.そのため,利用者は,例えば,リーチング運動等の目標軌跡を与えた場合,前方のモニタを見ながら実際の上肢動作との位置誤差,動作誤差を確認しながらリハビリが行え,視認性もよくリハビリテーションのモチベーションも期待できる.さらに,リハビリロボットの移動軌跡を描画し記録することで,位置,速度,加速度,および把持グリップに組込まれた力覚センサー情報を構築でき,それらのデータを用いたリハビリ評価,リハビリの前後,リハビリの経過の回復状況や回復効果を評価できるシステムを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度開発したリハビリロボットに,画像処理技術を取り入れるためにマーカー型のAR技術(拡張現実)とwebカメラをシステムに組込み,小型・軽量型のシステムが構築できた.画像処理によるリハビリロボットの位置決めの制御とその有効性を検証するために,秋田高専の設備である三次元動作解析装置である「VICON」を用いて運動動作実験をした.その結果,AR技術(拡張現実)とwebカメラを用いた画像処理による位置情報とVICONから得られた位置情報には大きな差異がないことが確かめられた.また,AR技術とwebカメラで得られた位置情報を使うことで,健常者がリハビリテーションの一つであるリーチング運動をさせた場合,この画像処理システムで十分に軌跡情報を確認しながらリハビリ動作が可能であることが確かめられた.さらに開発したリハビリロボットがリハビリテーションの道具として有効であるかどうか確認するために,秋田大学医学部付属病院整形外科の協力を得て,麻痺患者にも利用して頂いた.その結果,リーチング動作ではあるが,健常者と麻痺者との間に上肢運動動作の正確性や円滑さに違いが見られる知見が得られた.以上から,概ね計画通りに遂行し,成果が挙がっていると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は秋田大学医学部付属病院整形外科の協力を得て,上肢の麻痺患者に対して開発したリハビリロボットを用いて,上肢運動機能の正確さや円滑さといった精緻性を評価する臨床実験を行う予定である.また,今年度は最終年度となるため,最終確認と成果発表を行う予定である.成果発表の予定は日本機械学会東北支部秋季講演会の講演発表する予定である.
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Causes of Carryover |
管理職のため,予定の学会に参加ができず残額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,本研究課題の最終年度として,国内会議への参加および論文投稿などを活発に活動する予定である.次年度使用額は,成果発表に関する旅費および論文投稿費等に当てる予定である.
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