2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the exercise program for enhancing antidepressant effect and cognitive function using a video-game exercise
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26350699
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Research Institution | Asia University |
Principal Investigator |
東浦 拓郎 亜細亜大学, 国際関係学部, 講師 (50436268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 健史 白鴎大学, 教育学部, 准教授 (00406232)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 体感型ビデオゲーム / 気分 / 認知機能 / 身体運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
身体運動は脳神経系に作用し,抑うつ状態の改善や認知機能を高めるなど,メンタルヘルス向上のための有用なツールとして期待されている.抑うつ予防,また認知症予防の観点からも,より早期の段階で身体運動を習慣化させることが望まれるが,運動習慣を有する者の割合は特に若年層において低いのが現状である。そこで本研究は,若年層に広く普及しているかつ身体運動に対する内発的動機づけを高めるツールとして体感型ビデオゲーム(VG)に着目し,抑うつ及び認知機能に対する運動効果の検証と実用性の高い運動プログラムの開発を目的とした. 平成26・27年度は,体感型VGの実施の急性効果として「活気」の上昇や「作業記憶能」の向上を確認した.しかしながら,体感型VGの継続利用による効果については不明である.そこで平成28年度は,体感型VGを利用した12週間の運動介入が気分と認知機能に及ぼす影響について検討した.本研究は健康な大学生16名をランダムに2群(コントロール群・体感型VG群)に分けた.コントロール群は通常通りの生活を送った.体感型VG群はWii Fit Plusの「ジョギング+」を2-3日/週,30分間/日,12週間行った.そして,運動介入前後でPOMSによる気分検査,ストループ課題を用いて実行機能(より高次な認知機能)を評価した. POMSによる気分検査については,運動介入前後で変化は認められなかった.ストループ課題における正答数は運動介入前に比べて介入後に増加したが,これはコントロール群,体感型VG群の両群で認められた.これらの結果から,本研究で実施した体感型VGによる12週間の運動介入は,気分及び実行機能を改善させるに至らなかった.今後の課題として,運動介入の内容(運動強度・時間,実施頻度・期間)や認知課題を操作し,より詳細な検討を行うことが考えられた.
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