2015 Fiscal Year Research-status Report
身体性コンピテンシーに関する評価法の確立と向上プログラムの開発
Project/Area Number |
26350705
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木塚 朝博 筑波大学, 体育系, 教授 (30323281)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿江 通良 筑波大学, 体育系, 教授 (10175721)
澤江 幸則 筑波大学, 体育系, 准教授 (20364846)
中込 四郎 筑波大学, 体育系, 教授 (40113675)
長崎 勤 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (80172518)
石崎 和宏 筑波大学, 芸術系, 教授 (80250869)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 子ども / コンピテンシー / 身体性 / 体力・運動能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
子どもの体力・運動能力が下げ止まった昨今においても、「運動用具を上手に扱えない、対人との協働活動が難しい、状況を判断しながら動けない」など新体力テストでは十分に捉え切れていない身体能力に関係する事象が、教育現場でのスポーツ・体育活動の展開を妨げている。そこで本研究の目的は、上記の3つの事象に対応する「道具を活用する能力、他者と協働する能力、自ら判断し動ける能力」を「身体性コンピテンシー」と総称し、各能力の下位構造、および他の能力との関連性を検討することにより身体性コンピテンシーの評価法を確立し、その向上プログラムを開発することである。2年目の今年度は、各測定項目の縦断的な調査・測定を完結させるため、これまで継続的に実施してきた協力校において最終の調査・測定を行った。また、身体性コンピテンシーの向上プログラムを開発することを目指し、昨年度に試作したプログラム案を基に、他者と協働する能力の向上を中心に、新たな協力校において介入を実施し効果を証明した。ただし、予定していた数の協力校が得られず、他者と協働する能力のみの効果検証に留まってしまった。次年度は、完結した縦断的データから、本研究の仮説に瑕疵がなかったかを検証しながら、各能力の下位構造、および他の能力との関連性について順次研究発表していく予定である。また、道具を活用する能力、自ら判断し動ける能力についても、向上プログラムによる介入効果を検証する予定である。本研究の最終的な成果により、子どもの身体教育においても能力評価に関する多様化を推進させ、子どもの体力・運動能力における発達停滞を改善する契機となることが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目の今年度に予定した、中学生における身体性コンピテンシーの調査・測定を継続し、縦断的データを完成させることができた。また、前年度に試作した向上プログラムを、新たな協力校と相談および改善の上に導入し、その効果を検証できた。ただし、2校を予定していた協力校が、学校側のスケジュール変更により1校のみとなり、向上プログラムの検証が十分にはできなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、完結した縦断的データを評価し、仮説検証の上、研究発表などを積極的に行うことによって、本研究の第1目的を達成させる。また、第2目的である「向上プログラムによる介入効果の検証」を推進するため、研究協力校を増やすよう務め、介入効果の検証を拡充する。
|
Causes of Carryover |
研究協力校のスケジュール変更に伴い、向上プログラムによる介入を実施できなかった部分にかかる謝金支出が少なかったことが、未使用額の生じた理由である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
向上プログラム介入効果検証にかかる謝金として支出予定である。
|