2016 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical study of Educational Caring in physical education
Project/Area Number |
26350710
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
梅澤 秋久 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (90551185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 直樹 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (60375590)
村瀬 浩二 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (90586041)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ケアリング / ケア / 学校体育 / 学び合い / 互恵性 / 互恵的関係 / 体育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、学校体育における教育学的ケアリングの意義を検討してきた。その結果、多様な他者との学び合いが重要であるという理論的方向性を見出し、研究協力者との実践研究を進めてきた。 その成果として、梅澤秋久(2016)『体育における「学び合い」の理論と実践』. 大修館書店. として集約した。本書は、21世紀型の体育の在り方を「学び合い」の視点から論じた書籍である。理論編では体育科の歴史的変遷と社会的要請から全ての学習者を対象とした体育への変革の重要性を論じ、エンゲストロームの活動システム論から道具やルールの工夫によって運動世界へ誘い、共感性と超越性の中で運動の機能的特性に没頭させ、自己-他者-運動世界とのケアリング関係を構築していく教育方法について論究した。実践編では附属小中学校との協働により,学び合いの具体的事例を報告した。(全176ページ) また、梅澤秋久・矢邉洋和(2016)運動格差を解消するための学校体育におけるケアリングの実証的研究. 横浜国立大学教育学会研究論集, 第3巻, p.1-13.(査読付き論文)では、以下について論じた。すなわち、運動する子としない子の格差が拡大する左近、高水準児と低水準児とスポーツ運動とのケアリング関係の構築プロセスを明らかにすることを目的とした。ゴール型ボール運動において、ボールのケア性、少人数化、授業テーマの設定に加え、低水準児の成功を認める関係構築によってチーム内の互恵性が高まり、戦術遂行に向けての社会的態度や学び方、技能が、高水準児・低水準児共に向上することが明らかとなった。 以上の研究成果は、3カ年に及ぶ本科研費研究の集大成だと換言できる。
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Research Products
(2 results)