2016 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the ability to grasp the objective human movement processes by observing video clips
Project/Area Number |
26350720
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
野田 智洋 高知大学, 教育研究部医療学系医学教育部門, 講師 (00218330)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸 篤武 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (00623224)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 運動学習 / 運動観察 / 視覚的提示 / 動画映像 / スローモーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、電子黒板やデジタル教科書で観察させる動画映像の提示の仕方が運動経過を把握する能力に与える影響について検討し、どのような再生速度の動画を提示すれば、学習者が最も理解し易いかを判断するための基礎資料を提供することが目的となる。 そのため、A:通常再生1回、B:通常再生3回、C:1/3スローモーション再生、の3種類の動画映像の観察に基づく再生課題を行わせ、①反復観察の影響、②スローモーション再生の影響、③被験者の年齢の影響について検討した。各群の得点平均値に統計学的な有意差があるかどうかを検定するため、被験者の年齢(学年)×ビデオ再生速度と回数の違い(群)×技の運動構造の複雑さ(技)を独立変数とする3要因分散分析(混合計画)を行った。 その結果、被験者間要因に交互作用は得られず、学年要因、群要因ともに主効果も有意差が認められなかった。また、被験者内要因については2次の交互作用は得られなかったが、学年×技、ならびに群×技で交互作用が認められ、技の主効果も有意であった。単純主効果を検定するために、各学年における多重比較を行ったところ、中1では有意差が認められず、小3でのみ②振り上がりが①逆上がりと③け上がりに比べて有意に平均得点が高かった。また、群×技で交互作用が認められたことから、技毎に多重比較を行ったところ、①逆上がりでは、群間で有意差が認められなかったものの、③け上がりではスローモーション再生を観察させたC群が通常再生速度で1回観察させたA群より有意に平均得点が高かった。 以上のことから、観察対象の運動構造が一定以上複雑であれば、運動経過を把握させるためにはスローモーション再生による動画の観察が有効であると推察される。 研究成果を体育学研究に投稿し、2017年3月3日に受理された。現在、J-STAGEにて早期公開中である。
|