2014 Fiscal Year Research-status Report
タスクゲームとドリルゲームを効果的に結びつける剣道の授業作りに関する研究
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26350721
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
本多 壮太郎 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (10452707)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 運動有能感 / タスクゲーム / スキルウォームアップ / 簡易竹刀 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度前半は、前年度に中学校において実践した「仲間と協同的に取り組む剣道の戦術学習」の分析・考察を行い、その成果を検証した。その結果及び反省点を基に、タスゲームとドリルゲームを一時間の授業の中で往還させる授業展開をあり方を検討し、大学生初心者の協力を経て実践を行った。ドリルゲームにおいては、いたずらにゲームすることにより受講者の待ち時間が長くなってしまい、運動量や学習従事量が少なくなってしまうことのないよう、楽しいドリル課題となるようルールや方法を修正した。また、楽しい雰囲気を創り上げて意欲的に授業に参加していけるように、準備運動においてはウォームアップゲームやスキルアップゲームを考案し、実践した。タスクゲームの実践においては、「決めつ剣道Ver.1, 2, 3」を考案し、戦術学習で理解した戦術原理を、簡易化された状況で試し合えるようにした。戦術原理の知識を、思考・判断により自分たちのオリジナルの攻撃方法へと応用・発展させ、それをタスクゲームの中で試行するといった展開は、受講生の肯定的な授業評価を得ることができたとともに、学期末でのスキルテストにおいても、個人技能、対人的技能の両方のテストにおいて非常に高い得点を示す結果となった。これらの成果については現在論文にまとめているところである。 平成26年度後半は、大学の附属中学校の協力を得て、中学校2年生を対象とした授業実践を行った。大学での実践成果に加え、安全で思い切って打ち込んでも痛くない簡易竹刀の開発を行い、タスクゲームや約束練習といった対人的学習場面で活用した。これにより、学習者の不安や恐怖を大幅に軽減し、大学での実践以上に活発な取り組みを促すことができた。身体的有能さの認知を含んだ学習者の運動有能感を有意に高めることができたのは、前年度の実践を超える成果であったと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
授業の導入部分におけるウォームアップゲームやスキルウォームアップを考案し、良い雰囲気を創り上げて主運動につなげていく展開を実践できたのは高く評価されると考えている。また、大学での実践ではタスクゲームとドリルの効果的な往還が図られ、戦術的理解とともに、技術的気付きが促され、動機付けられた中での技術習得への取り組みが図られ、さらにタスクゲーム実践へとつなげていくことができたと言える。その一方で、中学校での実践においては、授業時間の関係上、一単位時間の中での十分な往還が図られなかった場合があった。学習内容の精選に若干の課題が残されたことから、評価としては(2)おおむね順調に進展している、とする。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の中学校での実践より、50分という授業時間の中でのタスクゲームとドリルの往還を図るには、「往還」についての考え方を再検討し、一単位時間での往還を図る場合と、複数の授業を通しての往還を図る場合とに分けた授業展開の在り方を設計していく必要がある。そこで今後、再度、大学での実践を通して授業内容及び展開の改善を図り、そこでの結果を踏まえ、中学校での実践を行うようにする。また、簡易竹刀と通常の竹刀の使い分けの効果的なタイミングについても研究の調査対象に加えていくこととする。
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Research Products
(5 results)