2016 Fiscal Year Research-status Report
我が国のライフセーバー育成に向けたコミュニケーション教育の方法開発とその実践
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26350729
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
立川 和美 流通経済大学, 社会学部, 教授 (70418888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小粥 智浩 流通経済大学, スポーツ健康科学部, 教授 (20358774)
稲垣 裕美 流通経済大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20433568)
小峯 力 中央大学, 理工学部, 教授 (60382826)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ライフセービング / コミュニケーション / 教育方法開発 / レスキュー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まず、昨年度までに行った研究をまとめ、国際会議(ECSS)において発表を行った。ここでは、シュミレーショントレーニングのデータの整理(DVD及びエクセルによる文字化)を行い、ライフセービングの言語・非言語のコミュニケーションの実態を分析し、レスキュー活動を正確・迅速に進めるための必要項目を具体化した。また、そのフィードバック等を通して、レスキュー時の発信と受信の双方向のコミュニケーションのありようを、スポーツ科学および言語学の両側面からこれまで以上に明確化することができた。 また、海外のライフセービング指導の実態を調査するため、ECSS会場において、スポーツ科学研究者に対してスポーツとコミュニケーション技術に関するヒアリング、アンケートを実施した。特記すべき事項として、ライフセービングの歴史が古く活動が活発なオーストラリアにおいては、各家庭にプールが普及し学校教育でもライフセービング教育が浸透している一方、コミュニケーション教育などに関しては、他のスポーツ(ラグビー等)との指導の連携は必ずしも見られないことが分かった。 さらに、ライフセーバーとして習得すべき専門用語の整理とそれに対する学習者の意識を調査し、その成果を国内学会(日本海洋人間学会)において発表した。ここでは、学習すべき項目と学習者の取り組みの様相との両面に着目し、ライフセービング用語の効果的な指導方法について考察を行った。 現在は、上記の成果をベースに、ライフセービングのコミュニケーション教材の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、当該年度に行おうと考えていた事項について、おおむね計画通りに進めることができたと考えられる。特に、研究成果を国内学会や国際会議(ECSS)において発表することで、これまでの研究の整理と再考を行うことができた。まず、国際会議での発表を通して、本研究の目標であるライフセービングのコミュニケーション活動の分析を、より広い視野から進めていくことができた。具体的には、ライフセービング部のSERCのシュミレーショントレーニングにおけるコミュニケーション活動を、テクスト言語学の手法を援用して文字化・データ化し、その分析からチーム内の呼称の重要性、3語文による発話の意図、省略発話の理解システムの形成が明らかになった。また、国内学会(日本海洋人間学会)ではライフセービング用語の分析と学習者の実態を調査し、発表を行った。これらの成果は、今後開発する教材に盛り込むこととした。 ただその一方、新しいデータの収集、パイロット教材の作成及びその修正といった活動は十分にできなかった部分も残された。しかし、教材のベースラインについての議論は研究者間で行っており、それを形にして発信していく準備は、ほぼ整いつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までと同様に、スポーツ科学を中心としたライフセービング関連の研究、言語学を中心としたコミュニケーションに関する諸研究に注意を払いながら、ライフセーバー育成に直結するコミュニケーション教材を作成していく。 具体的には、本年度行った国内学会におけるライフセービングの用語に関する特性とライフセーバー養成課程にある学生の学習意識を教材作成に応用し、まずは外来語に特化したネット配信型教材の作成をスタートする。配信先の協力を仰ぎながら、その内容を精査し、改良を加えていく。 さらに、国際会議(ECSS)での口頭発表の成果を踏まえ、ライフセービングの実践型の「コミュニケーション指導用教材(教科書・音声映像資料)」の開発を行う。 この他、ECSSにおいて行った海外スポーツ科学研究者(オーストラリア、ロシア、ノルウェー)に向けたスポーツ専門領域におけるコミュニケーションの調査(コミュニケーション特性、指導の実態等)の整理を進める
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Causes of Carryover |
本年度は、当初計画していた人件費や謝金について、研究代表者・研究分担者がその作業を担ったため、使用が発生しなかった。また、会議費についても、勤務校で行ったため、使用が発生しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、海外(イギリス)の国際学会で成果発表を行うため、海外旅費の計上が更に発生する予定である。さらに教材のデータ配信を考えているため、資料整理の追加計上が発生する予定である。
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