2016 Fiscal Year Annual Research Report
Military and Sports during the Wartime, A Comparative Social History
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26350743
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高嶋 航 京都大学, 文学研究科, 准教授 (10303900)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 軍隊 / スポーツ / 男性性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦前・戦時中の日本の軍隊とスポーツの関係を、諸外国の事例と比較しつつ、男性性の視点から探求することを目的とするものである。本年は、一昨年に出版した『軍隊とスポーツの近代』で論じ尽くせなかった下記の課題に取り組んだ。 第一の課題は、軍隊とオリンピックの関係である。第一次世界大戦後、マッカーサーがアメリカ選手団を率いたように、オリンピックと軍隊の関係は蜜月期を迎える。未公刊資料からその詳しい実態と原因を明らかにするべく、国際オリンピック委員会で関係資料の調査を実施した。現在、持ち帰った史料を整理中である。 第二の課題は、満洲における軍隊とスポーツの関係である。拙著は史料の関係から一九二〇年代以降に重点を置き、それ以前の状況は十分に明らかにすることができなかった。また、いわゆる外地についても十分に触れることができなかった。その反省から、研究がほとんどない満洲のスポーツについて史料を読み進めていくうちに、満洲ではすでに日露戦争のころから軍隊スポーツが存在したこと、全体として日本内地の軍隊よりスポーツが盛んであったことがわかってきた。その初歩的な作業の結果は満洲スポーツ史研究会(二〇一七年三月、札幌大学)で「1925年の軍隊とスポーツ」と題して報告した。 なお、国外調査はローザンヌの国際オリンピック委員会アーカイブで実施した。本来、この調査を踏まえて拙著を公刊すべきであったが、諸事情から昨年ようやく実施ができた。
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