2014 Fiscal Year Research-status Report
運動部活動における外部指導者の効果的活用に向けた条件整備の検討
| Project/Area Number |
26350755
|
|---|
| Research Institution | Waseda University |
|---|
Principal Investigator |
作野 誠一 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (60336964)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
| Keywords | 運動部活動 / 外部指導者 / 人材マネジメント |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、運動部活動の課題及び研究課題の体系的な把握と整理を中心として研究を遂行した。今後の運動部活動の在り方を検討するには、国の動向からも目が離せないことから、各種関係法令（教育基本法,2006：スポーツ基本法,2011）、学習指導要領（文部科学省,2008；2009）はもちろんのこと、「運動部の在り方に関する調査研究報告書」（運動部活動の在り方に関する調査研究協力者会議,2013）なども含め、制度的動向について把握した。また、これまでに報告されている体育科教育学、教育社会学、スポーツ社会学、体育・スポーツ経営学などの個別研究を体系的に整理し、より広い視野から現在の到達点把握と課題抽出に努めた。加えて、今後の学校と地域との連携のあり方それ自体を課題化している生涯学習論、社会教育学等の研究についても渉猟し、これらを体系的に整理した。これらの文献研究を通じて、今後予定される事例研究の調査内容についても見通しをつけた。
さらに、昨今の運動部活動をめぐっては、生徒に対する指導者の体罰・暴力が社会的にも大きな問題として注目を集めているが、現役の顧問教員（3名）へのインタビューを実施するなかで、制度と現実との乖離ならびに学校特性（公私、規模、設置目的など）への配慮を欠いた運動部活動の一般論は現場に対してインパクトを持ち得ないことを理解するに至った。このことは、外部指導者の研究においても念頭に置くべき重要な示唆ではないかと考える。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は、関連文献の検討に予想外の時間と労力が費やされたため、実施予定であった事例調査が若干遅れている。これは、当初予想していたよりも関連文献の収集・整理に時間がかかったことが主たる原因である。運動部活動については、学校教育活動をめぐる問題ということもあり、法制度から現場までかなり幅広い問題を視野に入れておかねばならない。さらに、この一年間に運動部活動をめぐる顧問教員の関わり方について各所で問題提起がなされるなど、教員目線からの運動部活動論が活発化している状況もふまえ、それらについても早急に情報収集を図り本研究の調査フレームに反映させたいと考えている。以上のとおり、計画通りの実施に向けて鋭意作業を進めているところである。
|
| Strategy for Future Research Activity |
当初、外部指導者制度の先進事例として東京都町田市、兵庫県神戸市、東京都杉並区などを調査対象として想定しているが、研究の過程でこのほかにも適切なケースがいくつかあることが明らかになっている。これらの事例も視野に入れた先進事例調査から、外部指導者制度の運用をめぐる現状と問題点、それらへの対応について明らかにしたい。
具体的には、A．コーディネート（調整）、B．スキャニング（探索）、C．インセンティブ（報酬）という3つの視点について、学校関係者（管理職及び体育主任）、市区町村行政担当者（外部指導者担当）（いずれもA,B,Cについて）及び外部指導者（Cについて））を対象とする調査を実施する。この調査は、その後に予定されている質問紙調査に向けたプレテスト（予備調査）としても位置づけられ、この手順を経たうえで精巧かつ堅牢な仮説モデルの構築をめざす。
|
| Causes of Carryover |
既述のように、平成26年度は関連文献の検討に予想外の時間と労力が費やされたため、事例調査が予定より若干遅れている。これは、当初予想していたよりも関連文献の収集・整理に時間がかかったことが主たる原因である。この関連文献研究では、ウェブ上の情報のほか、大学図書館、以前からの個人蔵書を有効に利用できたことから予測額を下回ることとなった。同じく予定されていた予備調査に関連して使用予定であった費目については、これを実施できなかったため、使用しなかった。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
予備調査は予定通り行うことから、調査旅費、物品費、資料整理に関わる人件費などが必要であり、当該助成金はこれらに充当する予定である。
|
| Remarks |
※Can External Coaches Change Sports Club Activities?: Agenda for further Spreading and Establishing External Coaching
|
Research Products
(2 results)
