2014 Fiscal Year Research-status Report
スポーツと観光に関する政策イノベーションに関する研究
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26350756
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
原田 宗彦 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (70189710)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スポーツツーリズム / スポーツコミッション / 地方自治体 / 観光振興 / スポーツ振興 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地方自治体における「地域活性化や観光振興のためのスポーツ活用策」の現状と取り組み意向について、自治体の施策・期待・スポーツコミッションに着目し、早稲田大学・電通(2011)の前回調査との比較から考察することである。質問紙調査では、早稲田大学・電通(2011)でも用いられた項目を使用し、両部門を対象に、スポーツコミッションに関する項目(スポーツコミッションの認知、スポーツコミション的組織の存在)を質問項目とした。またスポーツ部門にはスポーツを通じた地域活性化に関する項目を、観光部門にはスポーツがテーマの観光計画・施策、観光庁の取り組みの認知、期待度を質問項目とした。 2014年10月〜2015年1月に全国150自治体(都道府県・政令指定都市・中核市・特例市)のスポーツ担当部局・観光部局を対象に、E-mailを用いた質問紙調査を行い、スポーツ部門: 118部、観光部門: 115部、2部門合計で有効回答部数は、233部(回収率77.7%)を得た。また前回調査との比較には、二次的データとして早稲田大学・電通(2011)による「地方自治体におけるスポーツ施策イノベーション調査」のデータ(スポーツ部門: 104部、観光部門: 105部、2部門合計209部回収率71.6%)を用いた。 年度(2011,2014)とスポーツがテーマの観光計画・施策の有無、観光庁への期待の有無、スポーツコミッションの認知の有無、スポーツコミッション的組織の有無のクロス分析(2×2)を行った結果、地方自治体におけるスポーツをテーマとする観光計画・施策と観光庁への期待が増加し、地方自治体におけるスポーツコミッションの認知が向上し、地方自治体内にスポーツコミッション的組織が増加していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
インターネットによる質問紙調査において、回収率77.7%と高い比率で回答を得られたことにより、クオリティの高いデータを入手することができた、対象となった全国150自治体(都道府県・政令指定都市・中核市・特例市)のスポーツ担当部局・観光部局の現状が把握できたことにより、次のステップにシームレスに移行することが可能になった。担当者との地道な電話連絡が功を奏したとともに、2年目以降の調査に向けて広範なネットワークを構築できたことが大きな成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の調査では、全国の地方自治体において、スポーツがテーマの観光計画・施策が拡大していることや、観光庁への期待度が増加していることが前回調査との比較から明らかになった。全国各地で設立が進んでいるスポーツコミッションについても、同組織に対する認知が全国で上昇しており、設置される組織が増加する傾向が明らかになった。結果として、全国の地方自治体において、交流人口の拡大をもたらすスポーツツーリズムや、スポーツイベント等の誘致を行うスポーツコミッションに対する関心が高まりが確認された。2年目の研究に関しては、①調査結果を各自治体に送り、意見を聴取するとともに、②2020年東京五輪に向けた事前合宿(トレーニングキャンプ)誘致の意向をヒアリング調査し、③幾つかの特徴的な自治体に対し、組織再編の具体例を類型化するためのヒアリング調査を実施する予定である。
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