2015 Fiscal Year Research-status Report
筋活動の部位特異性に着目したレジスタンストレーニングプログラムの検討
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26350760
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
若原 卓 同志社大学, スポーツ健康科学部, 助教 (20508288)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生理学 / 筋肥大 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでのレジスタンストレーニングに関する研究の多くは、対象とする「筋群」への効果という観点で検討されてきた。しかし、トレーニングによって生じる適応は、その筋群を構成する各筋や同一筋内の部位によって一様でないことが示されている。本研究では、対象筋群を構成する各筋、さらに同一筋内の各部位への効果という観点で、レジスタンストレーニングプログラムにおける筋活動について検討することを目的としている。 平成27年度は、大腿四頭筋を対象として、単関節動作と多関節動作における筋活動の筋間差・筋内部位差について検討を行った。被験者に、単関節動作として等尺性膝関節伸展筋力発揮および等尺性股関節屈曲筋力発揮を行わせた。また、多関節動作として自体重を負荷としたスクワットを行わせた。このときの大腿四頭筋における筋活動を表面筋電図により記録した。筋電図の電極は、大腿直筋2箇所、外側広筋3箇所、内側広筋2箇所に貼付した。最大等尺性膝関節伸展筋力発揮時の筋電図の振幅を用いて、最大等尺性股関節屈曲筋力発揮時およびスクワット時の筋電図の振幅を標準化し、各筋・部位の筋活動レベルを評価した。その結果、スクワット時の大腿直筋の筋活動レベルは、外側広筋および内側広筋の筋活動レベルよりも低かった。また、スクワット時の外側広筋には筋内部位差が認められ、外側広筋の一部の筋活動レベルが他の部位より低い傾向が認められた。これは、外側広筋の筋活動レベルが実施する動作によって不均一であることを示唆する結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は、単関節動作と多関節動作における筋活動の差について検討を行った。ただし、市販されている既存の筋力計では、多関節動作における負荷条件の制御が困難であり、スクワット動作という、負荷条件の制御が困難な動作で実験を行わざるを得なかった。そこで、多関節動作における負荷条件の制御を可能にする、特別な筋力計を専門業者に作製してもらうこととした。しかし、既存の筋力計とは仕様が異なるため、業者との打ち合わせに時間を要し、研究の達成度に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
筋力計を作製する業者との打ち合わせは終了し、すでに発注済みである。筋力計が納入され次第、筋活動の部位特性を明らかにするための実験・研究を精力的に進める予定である
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Causes of Carryover |
実験条件を制御するための、特別な筋力計が必要となったが、専門業者との打ち合わせに時間を要し、当該年度中に執行することができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
特別な筋力計の購入費に充当するほか、実験に必要な消耗品の購入および人件費の支払いに充てる予定である。
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