2014 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の下肢筋機能に及ぼす活動筋の自覚的疲労感を用いたトレーニングの検討
Project/Area Number |
26350767
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
中谷 敏昭 天理大学, 体育学部, 教授 (60248185)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者 / ジャンプトレーニング / 自覚的疲労感 / コーディネーション能力 / 筋機能 / 敏捷性 / 足圧中心動揺 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は高齢者が実践しやすい連続ジャンプ運動を用いたトレーニングを行わせ,下肢筋機能(筋力や筋パワー等)に及ぼす影響を検討することを目的とした.本年度は京都市在住の対象者(29名,71.1±4.7歳)をジャンプトレーニング群(JT),天理市在住の対象者(30名,66.4±4.6歳)を軽運動群(LE)とし,JTには月2回の運動教室と自宅実践(週2~3回程度の頻度),LEには月2回の運動教室のみの内容で行わせた.JTには90bpmの頻度の連続ジャンプ運動を,活動筋が自覚的に「かなり効いてきた」と疲労を感じる回数まで2セット行わせた.ジャンプ回数は2週毎に漸増させた.トレーニング期間の前後で,コーディネーション能力(左右方向の移動),足圧中心動揺(バランス),ステッピング(敏捷性),椅子からの立ち上がり時の力発揮速度,脚内転力および脚外転力(筋機能)で効果を比較検討した. トレーニング教室の継続率はJTが100%とLEの93.1%より高く,ジャンプ運動を原因とする転倒や受傷は無かったことから,高齢者に対して無理のない実践的な運動種目と言える.JTのトレーニング頻度は週あたり約2.2回で,トレーニング1回あたりのジャンプ数は開始時の30回から終了時100.7±16.9回に増加した.2要因(群×期間)分散分析の結果,椅子立ち上がり時の50msecおよび100msec時点での力発揮速度と股関節外転力に有意な交互作用が認められた.トレーニング前後の要因による有意な主効果が認められた項目は,両群のコーディネーションテスト,椅子からの1回立ち上がり時の反応時間,JTの矩形面積(開眼),LEのステッピングであった.以上のことから,本研究の連続ジャンプ運動を用いたトレーニングは,高齢者のコーディネーション能力や椅子から立ち上がる際の瞬発的な力発揮,股関節外転力の改善に効果的な内容であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり,地域に在住する高齢者を対象とした短期間のトレーニング研究を実施することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の計画は,高齢者の連続ジャンプを用いた実践的なトレーニングの提案を行うために平成26年度は2ヵ所(京都市と天理市)をフィールドに3ヶ月間のトレーニング研究を遂行することができた.平成27年度は京都市のフィールドを6ヶ月のトレーニングに延長させ,期間延長による影響を検討する.また,天理市のフィールドは平成26年度の京都市のフィールドと同様な内容でトレーニングのセット数を減らした場合(1セット)の効果を検討する. 両フィールドとも対象者の募集をすでに始めており,平成27年度の研究計画を遂行する手続きは完了している.
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Research Products
(1 results)