2015 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の下肢筋機能に及ぼす活動筋の自覚的疲労感を用いたトレーニングの検討
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26350767
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
中谷 敏昭 天理大学, 体育学部, 教授 (60248185)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 下肢筋機能 / トレーニング / ジャンプ運動 / SSC動作 / 敏捷性 / コーディネーション / 歩行 / 下肢筋力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,高齢者が実践しやすいその場での連続ジャンプを用いたトレーニングを定期的に行わせ,下肢筋機能(筋力や筋パワー等)に及ぼす影響を昨年度に引き続いて検討した.本年度の課題は,①トレーニングの継続期間を異ならせた場合の効果の違いについて,②トレーニングのセット数を異ならせた場合の効果の違いについて,検討することであった.結果は以下のとおりである. 地域在住の高齢者を対象に,トレーニング期間が24週のグループ(LT群:28名,72.0±6.0歳)と12週のグループ(ST群:28名,71.1±4.7歳)に分けて,週2~3回の頻度で活動筋が自覚的に「かなり効いてきた」と感じる回数まで連続ジャンプを行わせた.測定項目は,コーディネーション能力,足圧中心動揺,ステッピング,椅子立ち上がり時の力発揮速度,脚内転力,脚外転力であった.トレーニングの継続率,教室参加率はLT群がわずかに低かったが,1週あたりのトレーニング回数は両群に差はなかった.コーディネーション能力,ステッピング,脚内転力は両群とも有意な改善がみられ,力発揮速度はLT群,脚外転力はST群のみで有意な改善が認められた. 次に,地域在住の高齢者を対象に,トレーニング期間(12週)と頻度(週2~3回)は同じで,1回のトレーニングで行うジャンプ運動を2セット(2S群:28名,71.1±4.7歳)と1セット(1S群:28名,69.1±6.1歳)に分けてトレーニングを行わせた.測定項目は課題①と同じであった.トレーニングの継続率と教室参加率は1S群の方がわずかに低かった.コーディネーション能力は両群とも有意に改善したが,ステッピング,脚内転力,脚外転力は2S群,足圧中心動揺は1S群にのみ効果が認められた. 以上のことから,トレーニング期間およびジャンプ運動のセットの違いは,下肢筋機能に異なる影響を与える可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり,地域に在住する高齢者を対象としたトレーニング指導を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は,今年度で最終年度を迎えるため平成26年度および平成27年度の研究結果から,課題の総括を行うとともに,地域に在住する高齢者を対象とした下肢筋機能を改善する指針を発信することができると考えられる.これらパイロット研究の成果は,今後前向きコホート研究として発展させたいと思うことから,研究協力者を増やして実現を目指したいと考えている.
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Research Products
(2 results)