2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26350768
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
須永 美歌子 日本体育大学, その他部局等, 准教授 (70534064)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 月経周期 / 性周期 / 女性アスリート / 脂質代謝 / 水分貯留 / 減量 / ウェイトコントロール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、月経周期に伴う体重、体水分量および脂質燃焼効率の変化を総合的に観察し、「月経周期を考慮した体組成管理法の開発」の可能性について検討した。 正常な月経周期を有し、事前のアンケートで「月経周期による体重の変化を自覚する」と回答した女性8名を対象とした。被験者は椅坐位安静を20分保った後に、最大酸素摂取量の60%強度の自転車運動を30分間実施した。運動後、さらに60分間の椅坐位安静を保った。実験は1週間に1回の頻度で計4回実施し、エストラジオール(E2)とプロゲステロン(P)濃度から、月経期、排卵期、黄体期を判別した。実施順序はランダムとした。体組成および体肢各部位の細胞内外体液量は、多周波部位別生体電気インピーダンス法を用いて測定した。採血は、運動前、運動後、運動30分後、運動60分後に行い、生化学的指標として性ホルモン(E2、P)、脂質代謝関連物質(遊離脂肪酸、カテコールアミン)および体水分調節関連物質(レニン活性、アルドステロン)を分析した。さらに呼吸代謝システムを用いて、呼気ガスを分析し、呼吸交換比を用いて脂質燃焼量を算出した。 体重は、8名中6名が黄体期に最も高い値を示した。安静時のレニン活性とE2およびPに有意な相関関係が認められた(E2;p<0.42, P;p<0.50)。運動中のアドレナリン、ノルアドレナリン、遊離脂肪酸および脂肪燃焼量は、排卵期に最も高値を示したが、各フェーズ間での有意な差は認められなかった。以上のことから、黄体期の体重増加は水分量による可能性が高いことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の課題である「月経周期が体水分量の変動および脂質燃焼効率に与える影響の検討」は、予定通り遂行がなされた。現在は、より詳細のデータを分析中であり、順次学会等で発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験によって、月経周期に伴う体重、体水分量および脂肪燃焼量の変化をとらえ、月経周期を考慮した体組成管理法開発の妥当性を確認することができた。今後は、月経周期を考慮した脂肪燃焼プログラムの考案に取り組む。
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Causes of Carryover |
採血に伴う消耗品について予算を計上していたが、すでに購入した物品で十分研究を遂行することができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
採血関連消耗品を購入し、さらに実験補助者への謝金として使用する計画である。
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Research Products
(7 results)