2016 Fiscal Year Research-status Report
スポーツを活用したまちづくり-試合開催地/キャンプ地招致活動推進組織に着目して-
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26350786
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
工藤 康宏 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (30410864)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国際スポーツキャンプ地誘致 / 国際スポーツイベント開催地誘致 / スポーツコミッション / まちづくり / 社会経済的効果 / スポーツ・ツーリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本調査研究は、スポーツイベントを活用した街づくりについて、開催地/キャンプ地招致活動推進組織の生成過程に基づく分類と社会経済的効果の関係を明らかにすることを目的とした。そのため、平成28年は、平成26年、平成27年に続き、自治体の抽出とヒヤリングの依頼を行った。合わせて、地域の変化をモニタリングする指標について、先行研究の収集と整理を行った。 また、オリンピック・パラリンピックにおけるキャンプ地招致/誘致を実際に実施した地域やその推進組織の情報、その後の地域の変化に関する情報を得るために、ロンドンオリンピック・パラリンピック時に地域との連携活動を積極的に行った、英国の大学を訪問、ヒヤリングを行った。その結果、キャンプ地招致/誘致に関しては地理的な条件(競技開催地に近い)が重要であること、キャンプ期間中においては通常の業務体制や職員の態勢と大きく異なる対応が必要であること、現時点では少なくとも訪問した大学においては、キャンプを招致/誘致したことによる地域社会の変化を測定することは行われていないこと、などが明らかとなった。 特に地域社会の変化に関しては、長期にわたる観察が必要であること、キャンプ地招致/誘致や推進団体による効果のみを抽出することが困難であることが、英国の大学の研究者や担当職員との意見交換から明らかとなった。 社会経済効果測定指標の選定、およびモニタリング項目については、継続して先行研究と情報の収集・整理が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
国際スポーツキャンプ地誘致活動を行っている自治体、すでに合宿/キャンプ地として活動している自治体のヒヤリングを行うことができたものの、予定数には達していない。また、ホストタウン登録をしている自治体まで、調査対象とするかどうかについても今後検討が必要となる。特にホストタウンについては、登録件数47件(新規36件、継続審査11件)と登録数が多いため、ヒヤリングを行うには限界がある。 社会経済効果を測定する指標の選定・情報収集活動において、まちづくりの変化をとらえる指標の選定、検証方法の検討において特に難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
1年間の補助事業延長が承認されたため、今後はホストタウンも含め、ヒヤリングを行う自治体とその推進組織を吟味、抽出し、依頼を行うことが最重要課題となる。 社会経済的効果の測定指標については、平成28年度に実施した英国の大学でのヒヤリング時に意見交換を行った研究者と、引き続き意見交換を行い選定作業を行う予定である。しかしながら、選定された指標が実際に効果を測定することが可能かどうかまでは、調査対象とする推進組織が組織されたばかりであることを考えると、本調査研究では明らかにすることは困難と考えられる。そのため、補助事業終了後も、継続してモニタリングすることが必要となる。
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Causes of Carryover |
研究代表者の本務での業務の多忙と、2016年度における2度の異なる学会大会事務局を担当したことなど学外での業務も多忙であったため、当初の計画の想定以上に研究を進めることができなかったため。また、2015年8月ごろからの遠隔地に住む実父の病気・入院への対応、2015年12月には他界と葬儀、年が明けた2016年には様々な手続き等で研究活動が滞ってしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度の滞った計画を粛々と実行する予定である。
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