2015 Fiscal Year Research-status Report
男性身体の外見的理想像とジェンダー/セクシュアリティ間の矛盾に関する研究
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26350796
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
岡田 桂 関東学院大学, 国際文化学部, 准教授 (90386657)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 男性性 / マスキュリニティ / マンリネス / ヘテロノーマティヴィティ / ホモソーシャリティ / フィジカル・カルチャー / フィジーク誌 / ボディービル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度を通じて収集し得た資料(1930~80年代に米国で発刊されたフィジカル・カルチャー雑誌2誌、フィジーク雑誌1誌が中心)に基づいて分析を行った。具体的には、研究計画に基づき、雑誌の表紙における男性像を時代ごとに分析し、その表象の変化を集計した上で、各々の時代背景と共に考察した。結果として、現時点までに、以下の点が確認できた。 ①男性性の理想という概念がジェンダーのみではなくセクシュアリティも含んだ概念であること。 ②1930~50年代には、男性性の理想は必ずしもヘテロノーマティヴではなかったこと。 ③1960~70年代にかけて、男性性のセクシュアリティ化(異性愛化)が進展したこと。 ④1970~80年代にかけて、男性性の表象はほぼ完全にヘテロセクシュアリティ化を達成したこと。 収集した資料はまだ完全ではなく、一部限定的ではあるが、現状の分析でも時代ごとの男性性の変遷が充分に実証できたため、現時点での分析・考察内容を論文にまとめ、既に投稿論文として受理されている。(紙媒体での発行は6月予定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
過去に米国において発行された大衆雑誌をオークションなどで通時的に収集する必要があるため、当初は2年以上を収集期間に充てる計画であったが、予想よりも速いペースで収集がすすみ、すでに分析に取りかかれているため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度から引き続き、資料の収集を継続し、時代的に抜けている部分を補完できるよう努める。また、研究計画に基づき、米国の関連アーカイヴで雑誌資料および関連資料の閲覧を行う。
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Causes of Carryover |
購入した雑誌資料の価格が想定より若干低かったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度も資料収集を継続するため、購入費用として使用予定。
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