2015 Fiscal Year Research-status Report
ジェンダーとスポーツからみた女子ラグビーをめぐる文化人類学的研究
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26350807
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Research Institution | Morioka Junior College,Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
原 英子 (草場英子) 岩手県立大学盛岡短期大学部, その他部局等, 准教授 (80180991)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ラグビー / 女子ラグビー / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
女子ラグビーの組織化についての社会的背景について考えるため、女子の社会進出に関する関連資料を収集することに努めた。また、女子ラグビーの大会等(東北地区)で、参加者や大会関係者、女子ラグビーをしている選手の母親や父親、高校の指導者等にインタヴュー調査をおこない、ラグビーや女子ラグビーに関する経験や考えについてきいた。また、女子ラグビーに関する海外での動きを知るために、イギリスを中心に現地で調査をおこなった。また、女子がラグビーを始めるきっかけについて考えるため、台湾でラグビーをしている小学生に対しておこなったアンケート調査結果をまとめ、以前釜石で行なったラグビーの継承に関するアンケート調査結果と同様の質問をしており、比較をおこなった。これまでの研究成果の一部をつかって、「いわて女性研究者☆研究・交流フェア」でポスターによる発表をおこなった。(原英子2015「スポーツを文化人類学から考える「ラグビーワールドカップの開催と女子ラグビー――釜石・岩手のラグビーからみえるもの――」)また台湾でのアンケート調査結果をまとめた(原英子2016「子どもがラグビーを始めるとき――台湾台北市でラグビーをする小学生へのアンケート調査結果――」(岩手県立大学盛岡短期大学部研究論集第18号 73-78頁)。ラグビーをおこなっている台湾の小学生と岩手釜石でラグビーをしている小学生・中学生へアンケートをおこなった結果、岩手では小学校入学前、あるいは入学時からラグビーをしている子どもが多いのに比べ台湾では開始時期が遅いことがわかった。また、ラグビーをしている女子は、事例数が少ないが、そのなかでの傾向として家族や親戚の人たちにラグビーに取組んでいる者が多い、いわばラグビー一家であった。台湾でも岩手釜石でも、女子がラグビーをはじめるのには、家族環境が大きな要因となる傾向にあることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラグビーの海外の状況について、フランスでの現地調査を予定していたが、治安が不安定になったので、現地におもむかずに、できる限り文字化された資料を収集する方向に転換した。イギリスについては、現地にいき調査をおこなった。また、アジア、特に台湾とのラグビーチームと交流をおこなっているチーム等に関わる機会があったので、そうした方向から海外のラグビーチームについて調査をおこなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
イギリス、フランスで調査予定であったが、フランスについては、現地の治安のことを考え、現地調査については延期し文献やデジタル化された資料を収集することに努める。また、台湾のラグビーについて調査をすすめることにした。
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Causes of Carryover |
ヨーロッパ(イギリス、フランス)での調査を計画していたが、ドイツでの学会発表があったため、それとリンクして予備調査をおこなった。このとき、オランダからイギリスへの往復旅費のみを調査費として使用した。もう一度冬季に調査にいく予定であったが、フランスの治安が不安定になり、調査を見合わせた。その分、次年度への繰越となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外調査としてイギリス等の調査を平成28年度におこないたい。
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