2014 Fiscal Year Research-status Report
車椅子マラソンにおける駆動フォームの評価・練習機器に関する研究
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26350809
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Research Institution | The Hyogo Institute of Assistive Technology |
Principal Investigator |
赤澤 康史 兵庫県立福祉のまちづくり研究所, その他部局等, 研究員 (90426544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 俊哉 兵庫県立福祉のまちづくり研究所, その他部局等, 技師 (20426547)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 障害者スポーツ / 車椅子マラソン / 車椅子駆動トレーニング / 車椅子駆動速度 / 車椅子駆動フォーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では車椅子マラソン競技者の記録向上を目的に、「ホイールが高速回転しているときの駆動フォームの練習を安全にかつ安定して行うための器具」として電動モータ付きローラ台の開発を行い、合わせて駆動フォームの評価システムを構築する。 マラソン競技用車椅子は一つの前輪(最大直径50cm)と上肢で駆動する二つの後輪(最大直径70cm)を持つ。平成26年度は、まず、研究協力者である体育指導員や兵庫県立障害者スポーツ交流館で練習を行っている競技者を対象とした聞き取り調査を実施した。また、市販されているローラ台を参考に、ローラの直径やローラ台の形状(後輪に対して左右別のローラとするか、あるいは一本のローラとするかの検討を含む)といったローラ台の仕様を策定し、策定した仕様に基づきローラ台の設計を行った。設計したローラ台はマラソン競技用車椅子を対象とするため、通常の車椅子を対象としたローラ台よりも前後方向に長い形状をしており前輪を固定する溝状機構を持つ。本ローラ台では左右の後輪それぞれが生み出すトルクを個別に計測し、また、ローラを介して各後輪の回転速度を制御するために、後輪ごとにローラを用意している。そのため、トルクを計測するトルクメータや回転速度を制御する電動モータなどは合わせて2セット必要となる。本研究で用いる予定のトルクメータが本研究の予算に対して高価であるため、初年度である今年度は、まず、トルク計測系を1組のみ購入・セッティングし、予備的な性能評価を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は既製品のローラ台を改造することで高速度帯での走行練習が可能かつ車椅子駆動トルクを計測可能な機器にする予定であったが、軸受の改造に想定以上のコストがかかることがわかり、ローラ本体、電動モータ、トルクメータを含む計測システム全体の基本設計から行わなければならなくなった。また、本研究の予算に占めるトルクメータの割合が高いため、先行研究の調査を入念に行ったので入力レンジの策定に時間を要した。また、現在も購入したトルクメータの性能評価を実施中である。これらの理由により研究の進捗が計画より少し遅れることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度より実施しているトルクメータの性能評価により、必要とされるトルクメータの性能を明確にした後に、購入を控えていたローラや電動モータ、トルクメータなどを購入し、平成27年度上半期末までにローラ台の1次試作を行う。その後、研究協力者である体育指導員や競技者から一次試作品や構築し駆動フォームの計測環境の感想・意見を求め、試作を繰り返しながら競技者のニーズに沿った練習機器および計測環境を平成27年度末までに開発・構築する。
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Causes of Carryover |
トルクメータが高価であるため、トルクメータの性能評価が終了するまで性能評価に用いない物品の購入や学会出張を控えたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在、実施しているトルクメータの性能評価終了後に、必要とする性能を満たすトルクメータや電動モータなどのローラ台の製作に必要な材料を購入することに次年度使用額を用いる。
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