下肢運動の自動化にける下肢の各部位の運動の役割および準備脳活動

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26350814
• Research Institution: Kanazawa University
• Principal Investigator: 外山 寛 金沢大学, 医学系, 准教授 (10172206)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 藤原 勝夫 金沢大学, 医学系, 教授 (60190089)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 自動化 / 下肢運動 / 身体部位 / 干渉

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、健康な若年成人を対象に、周期的下肢運動における腰部、股関節、膝関節、足関節の各周期運動の機能的役割と脳の準備状態を検討することである。
平成26年度は、腰部の周期的回旋運動の自動化の様相を検討した。自動化の様相は、左右側同時の一過性の上肢運動（掌屈運動）を並行した場合の腰部回旋運動の周期の乱れで評価した。脳の準備状態は、随伴陰性変動（CNV）を用いて評価した。
被験者（13名）には、回転盤の上で立位を保持させ、左方向と右方向への交互の腰部回旋運動を行わせた。回旋方向の切換えの時間間隔は、1000msとした。左回旋と右回旋それぞれ角度は、回転盤のストッパーによって10度に規定した。一過性の掌屈運動は、警告刺激（S1）－反応刺激（S2）－反応課題パラダイムを用いて、腰部回旋運動中に実行させた。S1とS2には、それぞれ1KHzと2KHzの音刺激を用い、時間間隔を２秒とした。S2の提示は、腰部回旋角度が左回旋と右回旋それぞれ10度に達した時点から0msと500msの遅れ時間で行った。CNVは、Czから導出した。各S2提示タイミングでのCNV波形は、眼球電図とCNVの振幅変動が100μVを超える試行を除外し、17試行以上の加算平均を行った。
S2を0msの遅れ時間で提示して掌屈運動を並行させた場合は、500msの遅れ時間で提示した場合に比べて、腰部回旋運動の周期の変化が小さかった。また、CNVの最大振幅は大きく、出現時点はS2提示時点よりも早かった。さらに、CNVの最大振幅からS2時点のCNVの振幅の減少が大きかった。腰部の回旋方向による差異は、認められなかった。こられの結果からは、腰部の回旋運動の方向を切換える時点では、一過性の上肢運動との干渉が小さいこと、また上肢運動の遂行に向けた脳の準備が早期に行え、その遂行に注意を向けることが容易であることが示唆された。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

腰部の周期的回旋運動に対する一過性の上肢運動の干渉の様相、および準備脳活動が、一過性の上肢運動を行うタイミングによって異なることを明らかにできた。

Strategy for Future Research Activity

当初の研究計画通りに進める。すなわち、下肢の周期運動の部位を、平成27年度は股関節、平成28年度は膝関節、平成29年度は足関節とする。実験の実施方法と分析方法は、平成26年度に準じる。