2015 Fiscal Year Research-status Report
自発運動が体温調節及び視索前野/前視床下部の脳内神経伝達物質に及ぼす影響
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26350822
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
石渡 貴之 立教大学, コミュニティ福祉学部, 准教授 (40435235)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自発運動 / 深部体温 / 心拍数 / 活動量 / 脳内神経伝達物質 / 体温調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,体温調節機構において重要な部位である視床下部の視策前野/前視床下部(PO/AH)に注目し,自発運動によるPO/AHの脳内神経伝達物質(セロトニン:5-HT,ドーパミン:DA,ノルアドレナリン:NA)の変動及び体温調節に及ぼす影響を解明することを目的とした.2年目である今年度は,マイクロダイアリシス法を用いて体温調節が活発になる暑熱暴露時(35℃)及び寒冷暴露時(5℃)の体温調節反応および5-HT,DA,NA放出量の経時的変化を運動群と非運動群において測定し,短期的な温熱刺激に対する運動の効果を検討した.実験動物,無線式小型体温計手術は基本的に平成26年度と同じ条件で行った. ソムノペンチル麻酔のもと,ガイドカニューラ(AG-8, Eicom, Japan)をPO/AHへ挿入する手術を実験の少なくとも3日前に行った.麻酔と傷口の回復,及び動物を実験環境下に慣れさせる為に,動物に2~3日間の安静期間を与えた.実験当日にイソフルラン麻酔(1.5~4.0%, 0.8 L/min, 武田薬品工業(株), Japan)の下,マイクロダイアリシスプローブ(A-I-8-01, Eicom, Japan)を挿入した.プローブ先端の透析膜はカットオフ分子量6,000のセルロース製で,膜長1.0mm,外形0.22mmの形状のものを使用した. 結果として,非運動群に比べて運動群は,暑熱暴露中は深部体温の上昇が大きいものの,生理指標の変動は少なく,逆に寒冷曝露中は生理指標が安定していた.脳内神経伝達物質の変動は運動群において全体的に高い傾向を示していた.これらの結果は,運動による暑熱または寒冷耐性の向上を示唆している.今のところ研究計画通りに問題なく実施することが出来ており,今後も詳細な分析を進めていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今のところ研究計画通りに問題なく実施することが出来ているため.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り3年目となる次年度は,運動群と非運動群に対して1か月間の温熱暴露(5℃または35℃)を行い,ホモジネート法とマイクロダイアリシス法を組み合わせ,長期的な温熱刺激に対する運動の効果を体温調節反応と5-HT,DA,NA放出量から検討する.最終的に,自発運動が体温調節及びPO/AHの5-HT,DA,NAに及ぼす影響を明確にする.
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Causes of Carryover |
年度末にアメリカへの研究打合せを行ったが,処理が年度内に間に合わなったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額は次年度分と合わせ,主に旅費及び消耗品購入に割り当てる予定である.
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