2017 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on improvement of sleep in elite Japanese athletes
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26350827
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
星川 雅子 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 先任研究員 (60284923)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アスリート / 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
3つの研究を実施した。 (1)アスリートの睡眠の現状を明らかにすること、アスリートの睡眠の質とそれに関連する事柄を明らかにすることを目的に、819名の日本人トップアスリートを対象に、睡眠スケジュール、練習スケジュール、ピッツバーグ睡眠質問票、エプワース眠気尺度、2質問法(抑うつ的気分)、睡眠衛生について質問紙調査を行い、ピッツバーグ睡眠質問票のグローバルスコア5.5を境に判定した睡眠の質の良否とその他の項目について、ロジスティック相関分析を行った。その結果、“床内時間”、“毎朝朝食を食べること”、“就寝直前に電子機器を使用しないこと”、“抑うつ的気分”、“ベッドで悩み事をしないこと”の5項目が睡眠の質と関係していることが明らかとなった。 労感の改善が観察された。 (2)高地・低酸素環境での睡眠の自己評価法を検討する目的で、低酸素環境下での終夜睡眠脳波、アクチグラフ記録、シートセンサーでの体動・呼吸記録、末梢の血流変化からの睡眠時無呼吸・睡眠段階評価を同時に行った。6名の被検者の終夜睡眠脳波の睡眠段階と末梢の血流量から推定された睡眠段階のカッパ係数は0.51±0.13(0.285~0.656)であった。また、総睡眠時間と睡眠効率は、アクチグラフ、シートセンサーのほうが終夜睡眠脳波の測定値に近かった。これらのことから、高地・低酸素環境の睡眠を簡易に評価したい場合、呼吸障害の情報が欠けてもよければ、アクチグラフやシートセンサーのほうが適していると推察された。 (3)海外遠征を行うトップアスリートを対象に、渡航前に高照度光照射、ラメルテオン服用、睡眠スケジュール調整を行う時差調整をした場合の渡航先での睡眠の質の変化について調べた。その結果、この時差調整を行った場合には、渡航先での睡眠効率、主観的な睡眠の質、翌朝の疲労の残り具合が改善されることが明らかとなった。
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