2015 Fiscal Year Research-status Report
女子大学生の月経・基礎体温を利用した生活習慣・食習慣改善プログラムの構築
Project/Area Number |
26350838
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
玉城 陽子 琉球大学, 医学部, 助教 (70347144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 由美子 琉球大学, 医学部, 准教授 (90282201)
大嶺 ふじ子 琉球大学, 医学部, 教授 (40295308)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 基礎体温 / 食習慣 / 生活習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、月経・基礎体温の変化と生活習慣・食習慣との関連を明らかにし、月経・基礎体温を使用して健康管理プログラムを作成することを目的としている。対象は、当学科の女子学生であったが、本年度の臨床研究倫理審査委員会において、所属の学科生を対象とすることを禁じられ、対象を看護専門学校生に変更し112名より同意を得た。有効回答は56名112周期であった。基礎体温からの推定結果は、無排卵の可能性がある周期63周期(56.3%)、黄体機能が低下している可能性がある周期81周期(72.3%)であった。低体重・肥満・現在ダイエット中の場合、無排卵・黄体機能低下の可能性がある周期が多かった。 簡易型食事歴質問票を使用して栄養素摂取状況を調査した結果、ほとんどの栄養素摂取量が食事摂取基準を下回っていた。無排卵の可能性がある周期においてはビタミンB12の摂取量が有意に少なかった。 日本版精神健康調査紙GHQ28を用いて精神健康と無排卵の可能性・黄体機能低下の可能性との関連を調査した。GHQ28における4因子「身体的症状」「不安と不眠」「社会的活動障害」「うつ状態」の中等度以上の症状を示す割合が高かった。また、対人・領域別ライフイベント尺度を使用し、ライフイベントと無排卵の可能性・黄体機能低下の可能性との関連を調査した結果、家族とのトラブルを体験をした周期において、無排卵の可能性・黄体機能低下の可能性が高い傾向にあった。 先行研究に比較し、無排卵・黄体機能低下の可能性がある周期が明らかに増加している。月経の問題には、ビタミン・ミネラル類・たんぱく質の摂取が潜在的要因として関係している。今回の調査では無排卵・黄体機能低下の可能性がある周期との関連はビタミンB12以外は見られなかったが、ほとんどの栄養素摂取量が摂取基準以下であったので、今後妊孕世代となる本研究対象者の食生活が危惧される結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、対象は当学科に在籍している女子学生であり、H27年度は、新1年生を対象者に追加することとH26年度の結果を踏まえて継続対象者への介入研究を実施する予定であった。しかし、今年度の臨床研究倫理審査委員会において、研究者所属の学科学生を対象とすることを禁じられ、今年度より対象を看護専門学校生に変更し、昨年度実施した介入前の調査を再度実施することに計画を変更した。そのため、介入研究が遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の調査において、3周期の基礎体温記録から現在の女子学生の月経・基礎体温の現状と食生活・生活習慣との関連をまとめることができ、調査結果を対象者個人にリーフレットを添えて返却している。 次年度は、今年度の基礎体温計測記録等を回収できた56名に継続・介入調査を実施する。 介入研究が1年遅れたことから、今年度回収できていない対象者および次年度1年生の追加調査対象者については、1周期のみ計測・記録調査紙を提出後、すぐに調査結果を対象者個人にリーフレットを添えて返却し、継続・介入調査を実施する。
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Causes of Carryover |
調査対象者を当学科学生から看護専門学校生にしたことにより、対象者数が予定の3倍となったため、統計ソフトSPSSを購入せず、婦人体温計および調査紙購入に充て、差額分が次年度使用学として生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査対象者を当学科学生から看護専門学校生にしたことにより、対象者数が予定の3倍となり、基礎体温計および質問紙の必要数が増加したため、次年度の基礎体温計および調査紙購入に使用する。
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Research Products
(1 results)