2018 Fiscal Year Research-status Report
女子大学生の月経・基礎体温を利用した生活習慣・食習慣改善プログラムの構築
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26350838
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
玉城 陽子 琉球大学, 医学部, 助教 (70347144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 由美子 琉球大学, 医学部, 准教授 (90282201)
大嶺 ふじ子 琉球大学, 医学部, 教授 (40295308)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 月経周期 / 月経持続日数 / 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度までの調査により、月経周期異常の82.4%が無排卵周期の可能性が高く、「うつ傾向」が有意に高いことが確認できた。睡眠時間の長期的な障害は、生活習慣病やうつ病の発症と密接に関係しているとの報告があり、良好な睡眠は、人々の健康や生活の質の維持・向上において重要な課題であると考える。夜型傾向の生活リズムは、月経随伴症状などの女性特有の心身の不快な症状とも関連しているとの報告もあることから、女子学生の月経随伴症状、メンタルヘルスおよびストレスの内容に焦点を当て、睡眠に影響する要因について分析を行った。 対象は、看護系大学2校、看護専門学校1校にて同意の得られた95名のうち、有効回答の得られた90名である。睡眠の評価には、3次元型睡眠尺度(3-Dimensional Sleep Scale)を使用し、月経に伴う症状についてはModified Menstrual Distress Questionnaire(mMDQ)を使用した。 月経周期は、頻発月経が6人(6.7%)、稀発月経が9人(10.0%)であった。月経持続日数は、過短月経はおらず、過長月経が7人(7.8%)であった。月経中のmMDQと睡眠の量、月経後のmMDQと睡眠の位相に負の相関がみられた。GHQ28の「身体的症状」「不安と不眠」と睡眠の質・量、GHQ28の合計得点と睡眠の位相・質・量に負の相関がみられた。ストレッサーと睡眠の質に負の相関がみられた。ストレッサー項目との関連では「自分の勉強、試験、卒業などがうまく進まない」「家族と過ごす時間が減った」「自分の経済状態(生活費、交際費など)が悪くなった」と睡眠の質に負の相関がみられた。以上のことより、月経随伴症状と睡眠が関連していることから、良好な睡眠を保つためにも、月経随伴症状を軽減させ、ストレスに対するコーピングを身につけていくことが必要と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
女子大学生を対象に、月経・基礎体温と生活習慣や食習慣との関連を検討し、生活習慣・食習慣の問題点を提示して改善を促した後に、月経・基礎体温がどのように変化するかを明らかにする事を目的に縦断的に調査を実施する予定であった。しかし、基礎体温を継続的に測定することが難しいとの理由により、有効回答数が予定よりも少ない状況にある。そこで、平成30年度は、基礎体温測定はせず、月経周期・月経持続日数および月経随伴症状と生活習慣・食習慣との関連を明らかにすることを目的に調査を実施した。次年度は、研究期間を延長し、その結果をもとに、月経周期および月経持続日数に異常がみられる対象者を縦断的に調査し、生活習慣・食習慣の問題点を提示して改善を促した後に、月経がどのように変化するかを明らかにする事を目的に縦断的な調査を継続する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎体温のパターン分析により、女子大生の月経周期が正常のものが年々減少し、異常と正常を繰り返している不安定な学生が増加していることがわかっている。そこで、近い将来、妊娠・出産をする年代である女子大学生を対象に、月経・基礎体温と生活習慣や食習慣との関連を検討し、生活習慣・食習慣の問題点を提示して改善を促した後に、月経・基礎体温がどのように変化するかを明らかにする事を目的に縦断的に調査を実施する予定であった。 しかし、基礎体温を継続的に測定することが難しいとの理由により、有効回答数が当初予定よりも少ない状況にある。そこで、平成29年度までの調査結果により、月経周期異常である対象者の基礎体温測を分析したところ、82.4%が無排卵周期の可能性があり、「うつ傾向」が有意に高いことが確認できたことから、平成30年度の調査対象者のうち、月経周期および月経持続日数に異常がみられる対象者が少なかったため、研究期間を延長し、対象を拡充して、生活習慣・食習慣の問題点を提示して改善を促した後に、月経・基礎体温がどのように変化するかを明らかにする事を目的に縦断的な調査を継続する。
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Causes of Carryover |
当初予定の研究期間は、平成30年度であったため、最終年度に論文投稿、報告書作成・印刷を予定していた。しかし、予定よりも回収率が低かったことから十分な分析ができなかったため、研究期間を延長し次年度に支出することとした。 次年度にさらに対象者を拡充して調査を継続し、論文投稿・報告書作成も実施する計画である。
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Remarks |
玉城陽子: 女子学生の月経の現状と生活習慣・食習慣との関連,第174回保健科学研究会, 西原.
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Research Products
(5 results)