2014 Fiscal Year Research-status Report
積雪寒冷地域における冬季の運動阻害要因と身体活動量の減少が健康を阻害するプロセス
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26350841
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Research Institution | Hokusho University |
Principal Investigator |
小田 史郎 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 教授 (70347813)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 運動 / 阻害 / 身体活動 / 季節 / 冬季 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、北海道の積雪量の多い沼田町と積雪量の少ない安平町に在住する中年者(40歳~65歳)を対象に、冬季並びに冬季以外の運動実施状況と運動阻害要因に関するアンケート調査を実施した。安平町については現在、解析を進めている段階のため、沼田町の調査から得られた成果のみ下記に示した(有効回収数は481/1,135名、42.5%)。 対象者全体としての運動習慣者数(および割合)は、冬季が96名(20.2%)、冬季以外が116名(24.1%)であった。運動習慣者の割合は、季節を問わず60代の女性が高く、60代男性が低かった。また40代男性においてのみ、冬季に運動習慣者の割合が激減する傾向がみられた。 運動を阻害する決定的な理由については、性別や年代、季節によって差が認められた。冬季以外では「時間の余裕がなかったため」「気持ちの余裕がなかったため」「仕事や家事などで十分身体を動かしていたため」といった理由が年代、性別に関係なく高い割合で認められた。冬季でもこれらの理由は上位に挙げられたが、その割合は低い傾向にあった。これらに加えて「運動することを面倒と感じたため」「積極的に身体を動かしたいという意欲がわかなかったため」といった心理的な理由が高い割合で認められた。また「雪かきで十分身体を動かしたと感じたため」「家のまわりの路面が凍っていたため」「運動する場所や施設がなかったため」といった冬季に特有の要因は、全体の中では低かったものの、冬季以外のみ運動習慣がある人(=冬季に運動を中断する人)の中では高い割合を示した。 また年間を通して運動習慣がある人と冬季に運動を中断する人の冬季における主観的健康感、睡眠、気分には有意な差は認められなかった。 以上の研究成果は各自治体にも還元し、積雪寒冷地で年間を通じた身体活動量の確保に向けた方策を考えるためのデータとして活用する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査結果の分析作業に時間を要し、安平町の分析が完了しなかった。このため、当初予定していた地域による比較を行うに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究Ⅱにおいては、冬季に身体活動量が減少する群と維持する群を対象に短期のコホート研究を実施し、身体活動量の減少に先行する心理・生理的変化や身体活動量の減少が健康に悪影響を及ぼすプロセスについて検討する予定であった。しかしながら研究Ⅰの結果、冬季における身体活動量の減少が、主観的な健康観や気分障害、睡眠障害といった明確な健康面への悪影響につながるケースは少ないことが明らかとなった。 一方では、特に農業従事者において冬季に体重が激増するという深刻な問題がある状況が明らかとなった。併せて研究Ⅰにおいても、冬季における農業従事者の身体活動量減少や過剰な食事量といった体重増につながる生活習慣の変化が示唆された。 以上のことから研究Ⅱは、①農業従事者にターゲットを絞り、②エンドポイントである健康面の悪影響を体重増に着目する形で短期のコホート研究を実施することを考えている。年間を通じた身体活動量の測定や健康調査等を行うというおよその流れは踏襲し、測定項目については若干の見直しを行う予定である。以上より、冬季における身体活動量の減少が他の危険因子とどのように関連しながら肥満(体重増)に結びついているのかについて時系列的に検討する。
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Causes of Carryover |
年度末に予定していたデータ集計作業のための人員が確保できなかったため、そのための人件費39,838円が次年度への繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
以上の繰り越し分は、平成27年度に予定しているデータ解析のための人件費で執行する予定である。
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