2015 Fiscal Year Research-status Report
地域在住高齢者における咳嗽力の実態と咳嗽力改善プログラムの効果
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26350842
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
金子 秀雄 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (20433617)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地域在住高齢者 / 咳嗽力 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究結果から、地域在住高齢者の約2割に咳嗽力低下が認められ、咳嗽力を保つ取り組みが必要であることがわかった。また、咳嗽力の指標となる咳嗽時最大呼気流量(CPF)には、特に肺活量が寄与しており、必要な要素となる胸腹部柔軟性や呼吸筋力の改善がCPF増大につながる可能性が示唆された。そこで、今年度は地域在住高齢者40名を介入群と待機群の2群に分け、咳嗽力改善プログラムを実施し、その効果を検証した。咳嗽力改善プログラムは、ハーフカットポール上での背臥位保持、呼気抵抗訓練器具を用いた呼気筋トレーニング、ピークフローメータを用いたCPFの確認の3種類(合計10分程度の運動)とした。このプログラムは非監視下で週5回、1カ月間行うことを指導した。咳嗽力改善プログラム前後には、CPF,努力性肺活量,最大吸気圧,最大呼気圧,胸腹部可動性を測定し、介入前後および2群間の比較を行った。その結果、2群間に有意差を認めなかったが、介入群では介入後にCPFと最大吸気圧が有意に増大した。地域在住高齢者に対する1カ月間の非監視下での咳嗽力改善プログラムは,咳嗽力改善に有効であり、これには吸気筋力が寄与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
咳嗽力の実態調査を行った研究協力者との連携により、1カ月間の介入効果を検証することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
咳嗽力改善プログラムの長期効果として12カ月後の再測定を行う予定である。昨年度の対象者との日程調整を行い、対象者の多くが再測定できるように進めていく。
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Causes of Carryover |
脱落者により当初予定していた数よりも謝礼等の経費が少なくなったことが理由としてあげられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究協力者に対する謝礼、測定に必要な備品の整備、消耗品購入、学会発表に伴う旅費、文献投稿に利用する予定である。
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Research Products
(3 results)