2016 Fiscal Year Annual Research Report
Survey of actual condition of cough capacity and effect of an improvement program for cough capacity in community-dwelling older adults
Project/Area Number |
26350842
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
金子 秀雄 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 准教授 (20433617)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 地域在住高齢 / 咳嗽力 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に実施した1カ月間の咳嗽力改善プログラムは、咳嗽時最大呼気流量(CPF)と最大吸気圧を有意に増大させた。今年度は介入群と同様なプログラムを実施した待機群を合わせた34名を対象に咳嗽力改善プラグラムの長期効果を検証した。咳嗽力改善プログラムの終了直後は週に1回以上継続するよう指導したが、それ以上の介入は行わずに6カ月後と12カ月後にCPF、呼吸機能、運動機能を測定した。その結果、1 カ月後に認められた最大吸気圧の増大は12カ月後まで保たれていたが、CPFの増大は6カ月以降に認めらなかった。その一方で6カ月以降の胸腹部可動性と12カ月の最大呼気圧は介入前より有意な増大を示した。地域在住高齢者に対する1カ月間の非監視下での咳嗽力改善プログラムは、無理なく実施できる課題であり、継続することで呼吸筋力や胸腹部可動性の改善に有用であるが、CPF増大を持続できないことが明らかとなった。 本研究を通して、歩行が自立した比較的活動的な地域在住高齢者の約2割にCPFの低下が認められ、誤嚥性肺炎予防や健康促進のためCPF低下予防に向けた対策の必要性が示唆された。そこで、地域在住高齢者に対してCPF改善を目的とした咳嗽改善プログラム(ハーフカットポール上背臥位、呼気筋トレーニング、CPFの確認)を非監視下で1カ月間実施した結果、CPFと吸気筋力の増大に有効であることが明らかになった。長期的には呼気筋力と胸腹部可動性の増大も認められたが、CPF増大を持続させる効果はなかった。今後はCPF改善させるための効果的なプログラムについてさらに検討を加える必要がある。
|