2017 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical Study on the Use of Traditional Medicine in Pregnancy and for Safe Delivery - Effectiveness and Safety of Moxibustion Therapy -
Project/Area Number |
26350849
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Research Institution | Tokyo Ariake University of Medical and Health Sciences |
Principal Investigator |
安野 富美子 東京有明医療大学, 保健医療学部, 教授 (00563404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 友実 東京有明医療大学, 保健医療学部, 教授 (70235117)
家吉 望み 東京有明医療大学, 看護学部, 講師 (00582248)
矢野 忠 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 特任教授 (70166560)
梶原 祥子 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (10299985)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 妊婦 / 安産支援 / 温灸 / マイナートラブル / QOL / 鍼灸 / 妊娠 / 灸 |
Outline of Annual Research Achievements |
伝統医療である鍼灸療法が妊婦の安産に貢献できるか否かを明らかにするために、温灸を用いて妊娠期間中のマイナートラブル(MS)およびQOLに与える効果および温灸療法の安全性について検討した。対象は正常な妊娠経過を辿り書面で同意が得られた妊婦とし、医療的処置を必要とした場合は除外した。研究デザインは非ランダム化比較試験とし、温灸群と対照群を同一施設内で設定した。温灸群には、妊娠24週から「三陰交」など下肢の経穴に週4回以上妊婦自身が温灸を行った。対照群は温灸を行わないこととした。評価はMSの19項目(易疲労感、全身倦怠感、頻尿、強い眠気、腹部の締付感、口渇、排便困難感、胃部圧迫感、下腹部の緊張、骨盤痛、腰背部痛、こむら返り、イライラ感、熟眠困難感、抑うつ気分、冷えのぼせ、冷え、むくみ、肩こり)の苦痛度とし、自覚的頻度と程度を各々5段階で評価点数化し、頻度と程度の積を苦痛度として評価した。QOLはSF- 36V2 TM(the Medical Outcomes Study Short-From 36)のアキュート版(SF-36)を用いた。評価は妊娠16~24週(温灸前)と37~38週とで行った。その結果、温灸群133例、対照群101例が分析対象となった。温灸群の苦痛度が対照群より有意に低かったのは、19項目全体、易疲労感、全身倦怠感、肩こりであった。QOLは、「身体機能Physical functioning」および「身体的側面のQOLサマリースコア(Physical component summary)」が温灸群が有意に高かった。有害事象は、温灸群で軽度熱傷が数名で報告された。以上より、温灸は安全性も高く、妊婦のMSを軽減させ、身体的QOLを維持し安産に貢献する可能性が示唆され、これまで妊娠期に経験的に用いられてきた温灸療法の科学的根拠の一端を明らかにすることができた。
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