2014 Fiscal Year Research-status Report
重症心身障害者の健康体力向上を目指した組織的介入の試み
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26350861
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
鈴木 伸治 常葉大学, 保健医療学部, 教授 (50393153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 恭子 名古屋短期大学, その他部局等, 教授 (20236996)
里中 綾子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80632497)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | cerebral palsy / GMFCS level V / wheelchair dance / aerobic fitness / training effect |
Outline of Annual Research Achievements |
重症心身障害者の健康体力向上を目指した組織的介入の試み 1)生理学的効果 こばと学園入所中のGross Motor Function Classification Sustem GMFCS Vに該当する重度痙直型アテトーゼ脳性麻痺者9名、脳炎後遺症1名、および福山型筋ジストロフィー症1名の合計11名の被験者の健康体力向上を目指した病棟全体の取り組みとして車いすダンスを週3回以上実施した効果について検討している。パラメータとしては安静時、ダンス時の酸素摂取量および心拍数から算出した酸素脈、Body Mass Index(BMI)、および血中ヘモグロビン、血清アルブミン、総白血球数、CRP、所要カロリーおよび摂取カロリーであり、ベースライン時、ダンス介入後3カ月、6か月、および12か月で比較している。平成26年度は中1病棟入所中の7名についてダンス介入後12か月までの完全データが得られた。また平成26年度は中2病棟の4名についてダンス介入後6か月までの完全データが得られた。 2)病棟運営における組織的介入の利点あるいは問題点 中1病棟、中2病棟での組織的介入では、中1病棟が主治医主導で実施され、中2病棟では保育士および看護師が主導で介入した。主治医主導の介入は実施回数が多かった。一方、保育士および看護師主導の介入では、ダンス講習会のVTRからダンス方法の説明パネルの作成など、だれが介入してもほぼ同じようなダンスができる工夫がなされた。両病棟とも、ダンスにとられる時間が多く、他の余暇活動に影響がみられている。 3)学術的効果成果の一部を第7回国際バイオメカニクス学会で報告した。本研究と関連ある車椅子ダンス研究の論文がGazz Med Italへの掲載が決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
中1病棟入所中の7名については車いすトレーニング6カ月効果を第7回国際バイオメカニクス学会で報告できた。また本研究と関連する車いすダンス研究の論文GAzeetta Medica Italianaに掲載されることが決定した。特に中1病棟入所中の7名については車いすダンスの組織的介入後12か月までの完全データを得ることができ、中2病棟入所中の4名の被験者についても車いすダンスの組織的介入後6か月までの完全なデータを得ることができた。以上から計画以上に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
1)中2病棟の車いすダンスの組織的介入12か月後のデータを予定通り収集する。 2)中1病棟入所者7名、および中2病棟入所者4名の車いすダンスの組織的介入による生理学的効果についての検証を完了させる。 3)病棟運営における車いすダンスの組織的介入の効果および問題点を明らかにしていく。 4)車いすダンスの組織的介入のための教則本およびインストラクションビデオを作成していく。 5)特別支援学校など他施設の協力を得て年齢の低い重症心身障碍者を被験者として新たにリクルートし、車いすダンスに対する呼吸循環系への反応が年齢の高い重症心身障害者と異なるかどうか検討する。
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Causes of Carryover |
共同研究者寺田教授に配分した10万円のうち旅費の分が共同研究者らと車による移動もあり、43020円となり、予定より2440円少なく済んだたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は年齢の低い被験者のリクルートを新に行うため、特別支援学校など他施設への訪問が増えるため、その費用の一部としてとして使用する。平成27年度研究分担者寺田教授に配分する10万円のうち旅費7万円に未使用学2,440円を旅費に上乗せして研究活動を遂行していく計画である。
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Research Products
(2 results)